税務のマメ知識

【災害などで損害を受けた場合には】

 

災害や盗難、横領により資産に損害を受けた場合などに、その損失の一部を所得から差し引くことができる制度があります。

これを「雑損控除」といいます。

控除の対象となる損害は「震災・風水害・冷害・雪害・落雷など自然現象の異変による災害」

「火災・火薬類の爆発など人為による異常な災害」

「害虫などの生物による異常な災害」「盗難」「横領」のいずれかの場合に限られ、詐欺や恐喝の場合は対象になりません。

控除額については「差引損失額-総所得金額等×10%」「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」のいずれか多い方の金額を控除することができます。計算式にある「災害関連支出の金額」とは、災害により被害を受けた住宅や家財などの取り壊しや除去のために支出した金額などになります。

なお、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後に繰り越して各年の所得金額から控除することができます。ただし、繰り越しは3年間が限度となります。

また「雑損控除」とは別に「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度があり、どちらか有利な方法を選ぶこともできます。この制度は、災害にあった年の所得金額の合計額が1000万円以下の場合に適用され、その年の所得税が所得金額の合計額に応じて軽減もしくは免除されます。

税務のマメ知識

【海外勤務が1年以上になる場合には】

近年は経済のグローバル化が進み、海外支店に転勤する人なども増えてきました。日本国内の会社に勤めている給与所得者が、1年以上の予定で海外の支店などに転勤する場合は、一般的には「日本国内に住所を有しない者」と判断されて所得税法上の「非居住者」となります。

この非居住者が日本国内において、不動産賃貸収入や資産の譲渡による所得など、一定の所得がある場合には日本で確定申告が必要となります。このような場合にその非居住者に代わって、申告書や届出書の提出、税務署から届く書類や国税の納付・還付などの受領を行う人を「納税管理人」といいます。

納税管理人になれるのは、国内に住所または居所を有する人で、個人でも法人でも構いませんし資格なども不要です。ですから一般的には家族や親族、または税理士や弁護士などの専門家に依頼することが多いようです。

ただし、資格がない家族や親族が納税管理人になった場合には、税理士法に定められた税理士独占業務以外の代行業務しか行うことができないので注意が必要です。

税理士独占業務には「税務申告書の作成」や「届出書の作成」などがあります。最後に非居住者である本人が納税義務を履行しない場合についてですが、納税義務は本人にあるため納税管理人が財産を差し押さえられるなど、連帯納付義務を負うことはありません。

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【処分に不服がある場合には?】

 

国税の税務調査などで申告漏れなどの指摘をされた企業や個人は、処分に不服があれば処分の通知を受けた日の翌日から3カ月以内に(1)「税務署長等に対する再調査の請求」か(2)「国税不服審判所長に対する審査請求」のいずれかを行うことができます。また(1)により決定した処分になお不服がある場合には、決定の通知を受けた日の翌日から1カ月以内であれば(2)を行うこともできます。

さらに(2)によって裁決された処分に不服がある場合には、その裁決があったことを知った日の翌日から6カ月以内に、裁判所に「訴訟」を提起することができます。このように税務署長等が行った処分に不服がある場合には、(1)や(2)を経るなどして最終的に訴訟となります。

近年の訴訟では、東京国税局から約3995億円の申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が、国に約1200億円の課税処分取り消しを求めた訴訟がありました。この訴訟は今年2月にIBM側の主張が認められて課税処分が取り消しになりました。

国税庁の発表によると処分を不服として裁判で争う件数は平成24年度340件、平成年25度290件、平成26年度237件と年々減っているようで、平成27年度は231件と平成16年度552件の半分以下でした。減少の背景には、税務調査のルールが明確になったことなどがあるようです。

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【平成29年1月から全ての人が加入可能に】

 

公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金のひとつに「確定拠出年金」があります。掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、運用は加入者自らが行います。

将来の給付額は掛金とその運用益との合計額によって決まるというのが、確定拠出年金の仕組みになります。これには事業主が実施する「企業型」と個人で加入する「個人型」があり、個人型は平成29年1月から加入者の範囲が拡大され、基本的には全ての人が加入できるようになります。

また個人型の税制優遇措置には次のようなものがあります。まずひとつが「掛金が全額所得控除」になります。

例えば毎月の掛金が2万円で税率が20%だとすると節税効果は年間48000円、25年間で総額120万円になります。次に「運用益も非課税で再投資」されます。通常、金融商品の運用益には源泉分離課税がかかりますが、個人型の運用益は非課税になります。

そしてもうひとつは「受け取るときの優遇措置」です。老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という控除が受けられます。

注意点としては「自分で運用」する自己責任型の制度であることや、中途での引出しに制限があり原則60歳まで引き出すことができないこと、加入時の手数料や毎月の口座管理費が必要になることなどが挙げられます。

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【領収書などの紙の書類をデータで保存】

 

日々、増える領収書や契約書といった紙の書類を、どのように保管していますでしょうか。

実はこうした紙の書類を「デジタルデータに変換して保存」することができる制度があるのです。それは「スキャナ保存制度」といって、一定の要件に従ってデータを保存すれば、紙の書類は処分することができる制度です。これにより書類を保管するスペースが不要になり、災害などで被害にあった場合には大事な書類を紛失するリスクも低くなります。

この制度は10年以上前からありますが、要件が厳しくほとんど利用されていませんでした。

しかし、2015年の税制改正で要件が大幅に緩和され、これまでより使いやすい制度に変わりました。主な改正点は、3万円以上の領収書や契約書なども制度の対象になった点や、デジタル化した日時を証明するタイムスタンプがあれば、電子署名の付与は不要になった点などでしょう。

タイムスタンプとは、電子データがある時刻に確実に存在していたことを証明する電子的な時刻証明書です。領収書や契約書などの書類がたくさんある場合には、スキャナで読み取る手間がかかります。またタイムスタンプが利用できる環境を整える必要もあります。

改正により使いやすい制度にはなりましたが、これまでの手間や費用などを比較検討して利用する必要がありそうです。

 

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