税務のマメ知識

毎年変わる税制は8~9月頃に、各省庁や経済団体から税制改正に対する要望などが出されます。次に税制調査会がこれらをとりまとめます。そして、小委員会や総会で議論がされて、12月に税制改正の原案である「税制改正の大綱(たいこう)」が出来上がります。その後、閣議決定がされ、翌年1月の通常国会で法案が提出されます。そして国会で審議が行われて3月末までに改正法が成立するというのが一般的な流れです。

例えば平成28年度の改正法案は、提出が平成28年2月5日、成立3月29日、公布3月31日。平成27年度においては、提出が平成27年2月17日、成立と公布が3月31日といずれも公布直前の成立でした。4月1日に施行される法律は多くありますが、過去には施行日に成立が間に合わなかったという年もあります。この時は、さかのぼって法律が適用されました。

また予定通りに成立し公布された場合でも、さかのぼって適用される法律も少なくありません。例えば平成28年3月31日に公布された「給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額の引き上げ」があります。通勤手当の非課税限度額は、それまで最高10万円でしたが15万円に引き上げられました。この最高限度額は公布日をさかのぼり、平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されています。

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【高い所ほど高くなる税に】

新聞などでも取り上げられたことのある「タワーマンションの固定資産税見直し」というお話はご存知でしょうか。

 これは、一般的に高層マンションの上層階の部屋が低層階よりも取引価格が高いのに、上層階でも低層階でも固定資産税が同じ(床面積などが同じ場合)というのは「公平な税負担」とは言えないので見直そうというお話です。

 まずは、よく耳にする「タワーマンション」という用語についてですが、この用語には階数や法的な基準などの定義はありません。「タワーマンション」とは通称で、一般的に「高さ60m以上、階数でおよそ20階建て以上の住居用建築物」に使われているようです。今回の見直しでは、平成30年度から新たに課税されることとなる高さ60mを超える建築物(建築基準法上の超高層建築物)で、複数の階に住戸が所在している建築物が対象になります。なお、平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含む建築物は対象外になります。

 課税額は、階が1つ上がるごとに約0.26%ずつ税額が増えます。例えば1階を100とすると、40階の部屋ならば1階に比べて約10%高くなります。また階数だけでなく、天井の高さや付帯設備が他の部屋と著しい差がある場合には、その差に応じた補正が行われます。なお、都市計画税や不動産取得税についても同様に見直しが行われています。

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「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年は、ビットコインなどの仮想通貨を物品やサービスへの支払い手段として認める法律が国内で初めて施行されました。

昨年はこの仮想通貨の急激な値上がりにより、多額の利益を手にした人もいるようです。仮想通貨による損益は原則として雑所得になり所得税の課税対象となります。

給与所得者で、給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下であるならば確定申告をする必要はありませんが、2カ所以上から給与を得ており確定申告が必要な人や個人事業主などは、20万円以下であっても申告が必要になります。

雑所得は雑所得以外の他の所得と損益通算ができません。そのため仮想通貨の取り引きで損失が出た場合でも、給与所得や事業所得などと相殺することができません。またその損失は翌年以降に繰り越すこともできません。例えば今年に100万円の損失を出し、翌年に200万円の利益を得た場合、前年の損失を繰り越すことができないので、翌年は200万円に対してそのまま課税されることになります。

最後に、仮想通貨による損益は原則、雑所得になるとお話ししましたが、例えば事業所得者が事業用資産としてビットコインを保有し、決済手段として使用している場合、その使用により発生した損益は事業に関連する所得と考えられるため事業所得になります。

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【その差3倍以上!平均給与が最も高い業種は】

 国税庁より昨年の9月に平成28年分の「民間給与実態統計調査」が発表されました。この調査の特徴は、従業員1人から5000人以上の事業所まで広く調査されていることや、給与階級別・性別・年齢階層・勤続年数別による給与所得者の分布が分かることです。

また企業規模別に給与の実態が分かることも特徴のひとつといえます。平成28年の1年を通じて勤務した給与所得者の人数は4869万人で、前年に比べて75万人増えました。

また平均給与は422万円で1.2万円増えています。男女別では、男性が2862万人で521万円、女性が2007万人で280万円になります。前年に比べると、給与所得者数では男性31万人増で女性が44万人増、平均給与では男性0.6万円増で女性が3.7万円増となっています。

次に雇用形態別でみてみると正規は487万円、それに対して非正規は172万円になります。事業所の規模別で平均給与を比較すると、事業所規模10~29人では393万円(給与355万円・賞与38万円)に対して、事業所規模5000人以上では509万円(給与398万円・賞与111万円)と、事業所規模による平均給与の差は賞与によるところが大きいことが分かります。業種別の平均給与では「電気・ガス・熱供給・水道業」の769万円が最も高く、最も低い「宿泊業・飲食サービス業」234万円の3倍以上でした。

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事業承継税制が利用しやすくなりました】

平成29年度の税制改正で、事業承継税制(非上場株式に関する贈与税・相続税の納税猶予制度)の見直しがありました。今回の改正では「雇用要件の見直し」と「生前贈与の税制優遇強化」がポイントになります。

これまで事業承継税制の適用を受けるには、従業員数を5年平均で80%維持する必要がありました。しかし、小規模な企業では従業員が4~5人のところも珍しくありません。例えば4人の従業員が3人になれば75%になってしまいます。昨今の深刻な人手不足の状況下で、特に小規模な企業が従業員数を維持することは大変難しく、事業承継税制の適用は高いハードルでした。そこで今回の改正では、小規模な企業でも事業承継税制を活用しやすくなるように、従業員5人以下の場合は1人減っても適用ができるようになりました。

また従来は贈与税の納税猶予の適用を受けていても、その猶予期間中に雇用などの要件を満たせなくなると適用は取り消され、高額な贈与税を支払う必要がありましたが、今回の改正で相続時精算課税制度との併用が認められるようになりました。相続時精算課税は贈与額のうち最大2500万円までを控除でき、控除額を超えた場合も超えた金額の20%の贈与税を納めればよいので、贈与税納税猶予が取り消しになった場合の負担が軽減されることになります。

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