税務のマメ知識

「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年は、ビットコインなどの仮想通貨を物品やサービスへの支払い手段として認める法律が国内で初めて施行されました。

昨年はこの仮想通貨の急激な値上がりにより、多額の利益を手にした人もいるようです。仮想通貨による損益は原則として雑所得になり所得税の課税対象となります。

給与所得者で、給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下であるならば確定申告をする必要はありませんが、2カ所以上から給与を得ており確定申告が必要な人や個人事業主などは、20万円以下であっても申告が必要になります。

雑所得は雑所得以外の他の所得と損益通算ができません。そのため仮想通貨の取り引きで損失が出た場合でも、給与所得や事業所得などと相殺することができません。またその損失は翌年以降に繰り越すこともできません。例えば今年に100万円の損失を出し、翌年に200万円の利益を得た場合、前年の損失を繰り越すことができないので、翌年は200万円に対してそのまま課税されることになります。

最後に、仮想通貨による損益は原則、雑所得になるとお話ししましたが、例えば事業所得者が事業用資産としてビットコインを保有し、決済手段として使用している場合、その使用により発生した損益は事業に関連する所得と考えられるため事業所得になります。

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【その差3倍以上!平均給与が最も高い業種は】

 国税庁より昨年の9月に平成28年分の「民間給与実態統計調査」が発表されました。この調査の特徴は、従業員1人から5000人以上の事業所まで広く調査されていることや、給与階級別・性別・年齢階層・勤続年数別による給与所得者の分布が分かることです。

また企業規模別に給与の実態が分かることも特徴のひとつといえます。平成28年の1年を通じて勤務した給与所得者の人数は4869万人で、前年に比べて75万人増えました。

また平均給与は422万円で1.2万円増えています。男女別では、男性が2862万人で521万円、女性が2007万人で280万円になります。前年に比べると、給与所得者数では男性31万人増で女性が44万人増、平均給与では男性0.6万円増で女性が3.7万円増となっています。

次に雇用形態別でみてみると正規は487万円、それに対して非正規は172万円になります。事業所の規模別で平均給与を比較すると、事業所規模10~29人では393万円(給与355万円・賞与38万円)に対して、事業所規模5000人以上では509万円(給与398万円・賞与111万円)と、事業所規模による平均給与の差は賞与によるところが大きいことが分かります。業種別の平均給与では「電気・ガス・熱供給・水道業」の769万円が最も高く、最も低い「宿泊業・飲食サービス業」234万円の3倍以上でした。

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事業承継税制が利用しやすくなりました】

平成29年度の税制改正で、事業承継税制(非上場株式に関する贈与税・相続税の納税猶予制度)の見直しがありました。今回の改正では「雇用要件の見直し」と「生前贈与の税制優遇強化」がポイントになります。

これまで事業承継税制の適用を受けるには、従業員数を5年平均で80%維持する必要がありました。しかし、小規模な企業では従業員が4~5人のところも珍しくありません。例えば4人の従業員が3人になれば75%になってしまいます。昨今の深刻な人手不足の状況下で、特に小規模な企業が従業員数を維持することは大変難しく、事業承継税制の適用は高いハードルでした。そこで今回の改正では、小規模な企業でも事業承継税制を活用しやすくなるように、従業員5人以下の場合は1人減っても適用ができるようになりました。

また従来は贈与税の納税猶予の適用を受けていても、その猶予期間中に雇用などの要件を満たせなくなると適用は取り消され、高額な贈与税を支払う必要がありましたが、今回の改正で相続時精算課税制度との併用が認められるようになりました。相続時精算課税は贈与額のうち最大2500万円までを控除でき、控除額を超えた場合も超えた金額の20%の贈与税を納めればよいので、贈与税納税猶予が取り消しになった場合の負担が軽減されることになります。

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【亡くなった後に遺産相続でもめないために】

「私が所有する土地に娘夫婦が家を建てて20年ほどになります。私には娘と息子の2人の子どもがいるのですが、娘が暮らすその土地は娘に相続をさせたいと考えています。

私が亡くなった後に遺産相続で子どもたちに争って欲しくないため、今のうちに手を打っておきたいので何か対策を教えてください」というご質問がありました。「わが家に限って」と思いたいところですが、遺産相続でもめるケースは少なくないようです。しかし、もめないためにと何の対策もなく生前に贈与をしてしまうと、多額の贈与税がかかることに・・・。

そこで、知っておきたいのが「相続時精算課税」という制度です。この制度は、60歳以上の祖父母・父母から、20歳以上の子・孫に対して財産を贈与した場合、2500万円までであれば贈与財産の種類や金額、回数に関係なく贈与税がかかりません。 ただし、相続時にその贈与した財産も他の相続財産に含めて相続税の計算をすることになります。

メリットは、事前に財産が移転できるので争族のリスクが減ることや、将来、値上がりするような財産であれば、贈与時の評価で固定されるため相続税の負担を軽減できることでしょう。

デメリットは、一度この制度を選択すると暦年控除が使えなくなることや、相続に比べて不動産の登記コストが高くなることなどでしょう。

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【次のケースで贈与税がかからない方法とは?】

 

「結婚して30年以上が経ちます。結婚当初に購入した現在の住まいはずいぶん古くなり、あちらこちらで修繕が必要になってきました。そのためこの機会に、建て替えをしようと思っています。資金については私の退職金を利用するつもりですが、建物の所有権登記では妻にも2000万円程度の持分を持たせたいと思っています。 このような状況ですが、贈与税がかからない方法はないものでしょうか?」といったご質問がありました。

結論から言いますと、今回のご質問者の場合は「贈与税の配偶者控除」という特例を適用すれば贈与税はかかりません。 これは婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円までの控除(配偶者控除)ができるという特例です。

ただし、同じ配偶者からの贈与については、一生に一度しか適用を受けることができません。また日本国内にある居住用不動産が対象になるため「海外移住をするため海外での住まい購入の際に利用する」ということもできません。

その他には、贈与税はかかりませんが不動産取得税や登録免許税はかかります。また建物の持分により相続時の小規模宅地等の特例や、譲渡時の居住用財産の3000万円特別控除等を利用する際の適用要件に影響しますので注意が必要です。

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