税務のマメ知識

【賃上げと社員教育をすると税額控除に】

 「新たな人材が欲しいところですが、業界全体が人手不足で今すぐに人を増やすことは難しい状況です。

そのため会社としては、従業員教育に力を入れて生産性を向上させつつ、徐々に新たな人材を確保していけたらと考えています。そこで、このような経営強化を支援してくれる税制などがあれば活用を検討したいため教えていただけないでしょうか」というご質問がありましたので、改正のあった所得拡大促進税制をご紹介いたします。

中小企業者等では「給与総額が前年度以上」で「継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加」した場合、給与等支給総額の前年度増価額の15%の税額が控除されます。また継続雇用者給与等支給額が対前年度比で2.5%以上増加しており「当期の教育訓練費が対前年度比10%以上増加」または「中小企業等経営強化法による経営力向上の認定を受け経営力向上が確実になされている」といった要件のいずれかを満たす場合には、25%の税額が控除されます。

ただし税額控除の上限はいずれも法人税額の20%になります。例えば25%の税額控除の要件を満し今期の給与等支給総額が1500万円、前期が1200万円で法人税が250万円の場合、対前年増加額300万円の25%である75万円が税額控除の対象となりますが、上限が法人税額の20%になるため税額控除額は50万円になります。

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【確定申告を忘れるとどうなるの?】

 個人の確定申告は、前年分を翌年2月16日から3月15日までに申告します。では確定申告を忘れて、この期間内に申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。期間内の申告忘れには「還付申告」と「期限後申告」の2つがあります。

サラリーマンのように会社が年末調整を行い、医療費控除などのように年末調整の処理ができない税金を還付してもらう「還付申告」であれば、5年さかのぼって申告ができます。

一方、個人事業主が確定申告を忘れたといったケースは「期限後申告」になります。この場合は本来納めなければならない税金の他に無申告加算税や延滞税がかかります。無申告加算税は原則として納付すべき税の15%(一定以上は20%)が課されます。 なお、自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。

また何かの手違いなどで申告を忘れていたような場合には、無申告加算税が課されないこともあります。そのためには、期限後1カ月以内に自主的に申告が行われていること。納付すべき税金を法定納期限までに納付(口座振替の場合は期限後申告を提出した日まで)していること。過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されていないこと。さらに過去5年以内に無申告加算税が免除になるこの制度を使っていないこと。などの要件を満す必要があります。

 

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【「印紙税」で紙の通帳がなくなる?】

 印紙税は経済取引に際して作成される文書に課される税です。課税されるものには色々あります。所得税や法人税のように生み出される所得に課税されるもの、贈与税や相続税のように財産に対して課税されるもの、消費税や酒税のように消費などに対して課税されるものなどがあります。

平成28年度の国の税収は約55兆円でした。そのうち印紙収入は約1兆円で1.8%を占めています。印紙税は私たちが持っている通帳においても課税されています。金融業界は近年の低金利によって収益が悪化しているため、一層の経費削減を目指さなければなりません。そのため年間約700億円かかる印紙税を、ペーパーレス化することによって削減するという動きがあるようです。

銀行などにとって、ITと金融サービスを融合したフィンテックの発展によりペーパーレス化などがすすむことは、印紙税や発行コストなどの削減と事務作業の軽減といったメリットがあります。一方、利用者は通帳を持ち歩く必要がなくなったり、スマホなどから入出金情報をリアルタイムで確認することができるといったメリットがあります。しかし、将来は紙の通帳の発行を希望すると手数料が発生することになるかもしれません。

今後、ITやAIなどの発展によりさまざまなことが変化し、それに伴い税制も変化していくことになるでしょう。

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【イートインは10%でテイクアウトは8%】

 来年の平成31年10月1日に消費税率は10%に引き上げられます。引き上げの際には、特定の品目だけを8%に据え置く軽減税率制度も実施されます。気になるその「特定の品目」ですが、酒類・外食を除く飲食料品と週2回以上発刊される新聞(定期購読契約に基づくもの)が対象になります。

例えば夕食用にスーパーマーケットで購入する肉や野菜、牛乳やパンなどは軽減税率の対象になります。一方、レストランやハンバーガーショップなどのお店で飲食をした場合は、軽減税率は適用されません。ただし、そこでテイクアウトしたハンバーガーなどは軽減税率が適用されます。また宅配ピザで注文したピザなどは軽減税率が適用されますが、ケータリングを利用した場合は適用されません。

このように対象品目の線引きがさまざまなので購入者も混乱しそうですが、売る側のお店はそれ以上に混乱しそうです。取り扱う商品などによっては、複数の税率を使い分けなければいけないケースも出てくることでしょう。またそれによりレジや受発注システムを、新たに導入しなければいけなくなるかもしれません。

このような対応が必要になる中小企業や小規模事業者等には、その経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」という制度があります。まだ1年以上ありますが、今から準備を進めていきましょう

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【酒税法の改正でビールが変わる!?】

 昔の酒造税は、例外期間を除くと1899年から30年以上にもわたり税収第1位でした。また国税収入の約40%を占めたこともあります。酒造税は1953年から現行の酒税になり、近年は国税収入全体の約2%へと減少しています。

その酒税の改正が平成30年4月1日にありました。これまでは似かよう酒類間の税率に格差があり、これが商品開発や販売数量に影響していました。そこで酒類間の税負担の公平性を回復するなどの目的から改革がはじまったのです。

改正の内容は、ビール系飲料が10年をかけて、また日本酒などの醸造酒類は5年をかけて税率が統一されます。品目でみるとビールは減税、発泡酒や第三のビールは増税、日本酒は減税、チューハイやワインは増税となります。

またビールの定義も改正されました。麦芽比率67%以上が50%以上に、使える副原料が麦・米・とうもろこし等だったものに、果実や一定の香味料(麦芽の5%以内)が追加されました。これまで麦芽比率でビールの基準を満たしていても、副原料にハーブなどを使うクラフトビールの表示は「発泡酒」でした(税率はビールと同じ)。しかし、今回の改正で多くのクラフトビールが酒税法上「ビール」と表示できるようになりました。これにより今後は商品開発が加速して、個性を売りにするビールが増えるかもしれません。

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