税務のマメ知識

 【個人事業主の事業承継を促進する制度】 

2019年度の税制改正において個人版事業承継税制が創設されました。この制度は、事業で使用している宅地や建物などの資産に対する贈与税・相続税の全額の納税が猶予されるものです。

また後継者の死亡など一定の事由が生じた場合には、猶予されている贈与税・相続税の納税の全部または一部が免除されます。具体的には青色申告に係る事業(不動産貸付業などを除く)を行っていた事業者の後継者が2019年1月1日から2028年12月31日までに贈与や相続などにより特定事業用資産を取得した場合に適用されます。

特定事業用資産とは、先代の事業者が事業に使用していた400平方メートルまでの宅地や床面積が800平方メートルまでの建物、自動車などの資産で、贈与や相続などが発生した年の前年分の事業所得に関する青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

税金の負担を軽くする事業承継税制はすでにありますが、従来の制度は法人の自社株に対するものであり、個人事業主を優遇する制度ではありませんでした。今回の創設により個人の事業承継が円滑に進むことが期待されます。

ただし、この制度を活用するためには年齢制限などの条件や、事前に「個人事業承継計画の提出」「経営承継円滑化法による認定」などが必要となりますので詳細についてはご相談ください。

税務のマメ知識

【国税庁が導入するAIとは】

 国税庁は2019年度にAI(人工知能)に関連する予算を初めて計上し、2020年1月から「チャットボット」による税務相談を試験的に導入する予定です。

チャットボットとは「おしゃべり」を意味する「チャット」と「ロボット」を組み合わせた造語で、人工知能を活用した自動会話プログラムのことです。身近なところではスマートフォンに搭載されている音声アシスタントや、アマゾンやグーグルのスマートスピーカーなどもそのひとつです。

今まで税務署の職員が行っていた対応業務をAIが代行するのです。最近では企業のホームページの下方などに「チャット受付中です。お気軽にお問い合わせください」といったメッセージを見掛けたことはないでしょうか。このような感じで国税庁も税に関する相談を土日、夜間など日時に関係なくホームページ上で対応し、納税者のニーズに沿った相談事務の効率化を図ろうと考えています。

最初はサラリーマンや年金受給者の確定申告に関する質問に対応する予定です。例えば「住宅ローン控除に必要な書類は何ですか?」「医療費控除で予防接種は控除の対象になりますか?」などといった簡易な質問に対しチャットボットで回答するようです。画面の向こう側に税務署の職員が待機しているわけではないので一度、試してみるといいかもしれませんね。

 

税務のマメ知識

【暮らしに深くかかわっている関税のお話】

 

2019年2月1日に発効されたEPA(日欧経済連携協定)により関税の削減や撤廃がありました。これに伴い欧州連合(EU)からの豚肉やワイン、チーズなどの輸入が前年同月に比べて大幅に伸びました。

関税は歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、幾多の変遷を経て今日では「輸入品に課される税」として定義されています。

かつては他の税金と同様に国家の財源として重要な位置を占めていましたが、経済活動のグローバル化によって国家の財政規模が巨大になると財源調達としての意義は小さくなり、現在では「国内産業の保護」という機能のほうが重要となっています。それは、関税が課せられるとその分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下するからです。

例えば、それまでフルボトルサイズの一般的なワインでは最大約94円、スパークリングワインでは一律約137円の関税が課されていましたが今回、これが撤廃されました。チーズも29.8%の関税率がEPA発効直後には27.9%となり、さらに段階的に下げていきます。

こうしたことにより価格の低下が見込まれ、消費者の利益になりそうですが、一方で輸入の拡大で競争が激しくなる国内生産者からは不安の声が出ています。私たちには縁遠いものに思える関税ですが、日々の暮らしに深くかかわっているようですね。

税務のマメ知識

【約40年ぶりの改正で守られる権利とは】

 私たちにとって最も身近な法律が民法でしょう。その1000を超える膨大な条文を大きく2つに分けると、財産に関するものと家族に関するものになります。前者は「財産法」、後者は「家族法」などと呼ばれています。

そして、2018年7月には高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに家族法の中の相続に関する部分が大きく改正されました。具体的には「配偶者居住権の創設」「自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能」「法務局で自筆証書による遺言書が保管可能」「被相続人の介護や看護で貢献した親族は金銭要求が可能」といった内容が主な改正点となります。

そこで今回は「配偶者居住権」について説明します。例えば、夫を亡くした妻がいたとします。夫が亡くなるまで一緒に住んでいた自宅の所有権を、何らかの理由でその妻が相続しなかったとしてもずっと自宅に住むことのできる権利が配偶者居住権です。

これによって親族間で相続財産の分割協議でもめていたとしても、妻は自宅に住む権利は認められているため路頭に迷うことはありません。またこの配偶者居住権は相続税にも影響を及ぼすことがあるので事前にしっかりと相続対策を行う必要があるでしょう。なお配偶者居住権については2020年4月1日以後に開始する相続から適用されます。

税務のマメ知識

【スマートフォンを活用した業務の効率化】

 

政府が推進する働き方改革により、全ての企業で残業時間を減らし従業員の有給休暇の取得を促進することとなりました。

しかし同時に企業の利益のために、さまざまな方法により今まで以上に労働の効率化を図っていく必要があります。昨今、IT技術の目覚ましい発展によってあらゆる場面で便利になってきました。これは日々の会計業務においても同じことが言えます。

例えば、全国を飛び回っている営業マンがいるとします。一般的な場合、事前に経費を仮払いして出張に出掛けるでしょう。そして、それにかかった接待交際費や旅費交通費などは出張から帰った際に、担当部署に領収書の原本を提出して仮払いの精算をしていると思います。

ところが2016年の電子帳簿保存法の改正で、スマートフォン専用アプリで撮影したデータも帳簿として認められるようになりました。それにより最近ではスマートフォンで読み取った領収書を自動で会社に転送して経費が精算できるようなシステムまで登場しました。

その他に交通系ICカードの利用履歴で交通費の精算ができるようなものもあります。これらを活用することで従来の紙の領収書の保存をする必要がなくなったり、煩わしい経費の精算から解放されるようにもなります。今後は減少する労働力を身近なツールを使って補っていく時代かもしれませんね。

 

事務所案内

阪本会計事務所
〒506-0054
岐阜県高山市岡本町3-242
[TEL] 0577(33)2605
[FAX] 0577(33)2589

外観写真

アーカイブ