税務のマメ知識

【不要品を売ったときに税金はかかる?】

 

フリーマーケットなどで不要となった日用品や古本などを売って、家の中の整理整頓とお小遣い稼ぎの一挙両得を楽しんでいる人も多いでしょう。最近ではスマートフォンのアプリを利用して簡単に売ったり買ったりすることができるようになり、ますます便利になっています。さらに不要品を売ったら思ってもみなかった値段がついて、多額の利益を得るというケースもあるようです。

では、このような場合に税金はどうなるのでしょうか。家具・自家用車・衣類など生活に通常必要な「生活用動産」の譲渡による利益に対しては、税金はかかりません。ただし貴金属や宝石・書画・骨とうなどについては例外もあり、1個または1組の価額が30万円を超えるような高級な品を売って得た利益に対しては税金がかかります。とはいえ、すべての利益に対して税金がかかるというわけではありません。

このような譲渡による場合には特別控除(最高50万円)が認められており、50万円までの利益に関しては課税の対象外なので税金はかかりません。この制度があるため自宅にある生活用動産を売っても、ほとんどのケースで税金は発生しないのではないでしょうか。

しかしながら、何度も反復的に売買を行って利益を得ているような場合には、その行為が営利目的とみなされて課税の対象となるので注意しましょう。

税務のマメ知識

【大企業が中小企業になるひとつの理由】

 2021年3月、旅行会社大手のJTBが、資本金を23億400万円から1億円に減少させました。そこで今回はこの「減資」について考えてみましょう。

昨今のコロナ禍において、旅行業界はその影響を最も受けている業種のひとつです。企業の業績は悪化し今後も厳しい状況が続くと思われ、1秒でも早い回復の兆しを待ち望んでいることでしょう。そこで打った手が今回の減資です。

減資には「有償減資」と「無償減資」があります。有償減資は会社の財産を株主に払い戻して行うもので、無償減資は会計上の処理により形式的に行うものです。今回のJTBの減資は無償減資の形をとりました。では、なぜそうまでして減資を行う必要があったのか?それは、減資をすることにより税制上のメリットを享受できるからです。法人税法では資本金の額により税制上の取り扱いが異なります。その額の分岐点が「1億円以下」か「1億円超」かなのです。

例えば、資本金が1億円以下であれば法人税の税率が軽減されたり、繰越欠損金が全額控除できるようになったりと、多くのメリットを受けることができます。また法人事業税においては外形標準課税が適用されないため、税負担を抑えることが可能となります。これらのことから今回のJTB以外にも、やむなく減資に踏み切る大企業は他にもあるようです。

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【2021年度の税制改正大綱について】

 2021年度の税制改正の大綱が閣議決定されました。その中にはポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、企業については「デジタル技術を活用した企業変革を推進する」ための「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制」が新たに創設されます。また申告書や届出書における押印の廃止、電子帳簿保存の簡素化などがあります。

例えば、法人税においてはポストコロナに向けて産業競争力を強化するため、デジタル技術を活用した企業環境を構築すべく、社内に整備されているサーバーやソフトウエアなどをクラウドシステムに移行するための投資(ソフトウエア・機械装置・器具備品の取得)を行った場合に税額控除(5%・3%)または特別償却(30%)ができる措置が創設されます。

また整備面においては行政手続きで書類の押印義務が見直されます。そのため一部の例外を除いては、確定申告書や各種届出書についての押印が不要となります。さらに電子帳簿保存の簡素化については、従来は事前に必要だった税務署長の承認が廃止されたり、信頼性の高い電子帳簿については過少申告加算税を5%軽減するといった刺激策が講じられます。

今後、データの電子化がますます加速していくため、どこまでデジタル社会の実現に近づけるかが期待されるところでしょう。

税務のマメ知識

【「法人成り」した場合の注意点は?】

 

個人事業主が株式会社などの法人を設立し、その組織の中で現在の事業を引き継いで行っていくことを一般的に「法人成り」といいます。先日、飲食店のオーナーから「法人成りを考えていますが、具体的な注意点を教えていただけないでしょうか」という質問がありました。

「法人成り」をした年の所得税の確定申告では「個人事業の廃止」「個人資産の法人への引き継ぎ」「法人からの給与の支給」など、さまざまな所得が発生し確定申告が大変複雑になります。例えば棚卸資産を法人へ譲渡する場合、通常の販売価額の70%未満で譲渡すると低額譲渡に該当します。その場合には、譲渡した販売価額と通常の販売価額の70%に相当する金額との差額を総収入金額に算入しなければなりません。

また個人事業主のままであれば翌年の必要経費となる事業税を、特例的に見込み額で廃止年分の必要経費に算入できるなど特殊な取り扱いも生じます。その他では、例えば棚卸資産以外の土地建物を法人に譲渡すれば「分離課税の譲渡所得」、車両や備品などの固定資産であれば「総合課税の譲渡所得」として税金の計算を行います。

さらに法人化後は、法人から給与を受け取るため給与所得なども生じます。このように個人事業を法人化する際には、通常の年とは異なる特殊な取り扱いが発生することが注意点となります。

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【住宅ローン控除制度の問題点と今後】

 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)制度が今の低金利時代に合っていないという指摘があり、政府が見直しを検討しているようです。住宅ローン控除とは、新築など一定規模の住宅を取得しようその資金を銀行などから借り入れした際、ローンの借入残高の1%を限度として所得税額から控除を受けられる制度です。

この制度の役割としては、住宅ローンの返済負担を軽減させることでその後の生活不安を解消し、スムーズに事を運ぶことができる「住宅投資の喚起効果」であったり、住宅の取得に伴う家電や家具などの耐久消費財の購入による「景気の刺激効果」などがあります。

しかし、今の低金利時代において現行の借入残高に対して1%の所得税が控除されるという仕組みは、時代に合っていないとの見方があるのも事実です。現実的には住宅ローンの金利を1%未満で借りている人も多く、支払利息の負担を軽くする制度だったのが、実のところ支払利息を住宅ローン控除の額が上回る「逆ざや」になる現象が起きてしまっている場合もあり、これが問題視されるようになりました。

2020年に一度、見直しが検討されたものの現状のままで据え置かれました。しかしながら上記のような実態を踏まえて、近い将来は住宅ローン控除制度が本格的に見直しされるかもしれませんね。

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