税務のマメ知識

【生命保険の契約者変更に関する税金】

 

「子どもに掛けていた生命保険の契約者を親である私から本人に変更しようと考えています。保険料はずっと私が支払ってきましたが、変更するとこれまでの分に税金はかかるのでしょうか」という質問がありました。

子どもの就職や結婚を機に生命保険の契約内容を見直すことは多いでしょう。生命保険を契約する際は、契約者(保険料の負担者)・被保険者・受取人を指定します。このうち契約者と受取人は途中で変更することができます。保険契約の期間中に契約者を変更した場合、この時点では保険金の支払いは発生していないため、それまで支払ってきた保険料を新たな契約者に贈与したことにはならず税金はかかりません。しかし、その後に解約返戻金や満期返戻金、死亡保険金などを受け取る場合には税金の対象となります。

生命保険は契約者・被保険者・受取人の関係性で受け取ったときの税金の種類が変わります。それは「誰が保険料を支払っていたのか」によって相続税や贈与税などがかかる場合があるということです。

満期を迎えて子どもが保険金を受け取った場合は、親であるあなたが負担した部分は贈与税、子ども自身が負担した部分は所得税の対象となります。当然ですが、それぞれの税金の基礎控除額を超えたときには契約者である子ども自身が申告して納税する必要があります。

税務のマメ知識

死別や離婚により夫のいない女性を「寡婦(かふ)」、妻のいない男性を「寡夫(かふ)」といいます。2020年度の税制改正により未婚のひとり親に対する寡婦(寡夫)控除の見直しが行われました。

従来は離婚や死別であれば寡婦(寡夫)控除が適用されていましたが、未婚の場合は婚姻暦の有無によって控除が異なっていました。また男性のひとり親と女性のひとり親とでは控除額に差がありました。これらを公平にすべく見直しが行われ、2020年分の年末調整から全てのひとり親に適用されます。

具体的には婚姻暦や性別にかかわらず、生計を同じとする「総所得金額が48万円以下」の子を持つ「所得金額が500万円以下」のひとり親について「ひとり親控除(35万円)」が適用されます。

子以外の扶養親族を持つひとり親控除に該当しない寡婦については、従前の控除額27万円が適用されますが「500万円以下の所得制限」が設けられました。ただし住民票に事実婚の記載がある場合には控除は受けられません。

総括すると、男女を問わず「所得金額が500万円以下」の未婚のひとり親は、新たに35万円の控除が適用されます。また従来は27万円だった寡夫控除は35万円となります。しかし、寡婦控除については所得制限が加わったため所得金額が500万円を超えると27万円の寡婦控除の適用がなくなります。

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【二世帯住宅を建てる際の注意点】

 

「父から実家を二世帯住宅にして一緒に住もうと提案されました。そのため実家をリフォームしようと検討しています。両親は無職なので資金は息子である私が全て出す予定ですが、土地と建物は父の名義です。この場合、何か問題はあるでしょうか」という相談がありました。

所有者が別人の2個以上の物が結合して1個の物になることを「付合」といいます。今回のように不動産(建物)に動産(増改築部分)が付合した場合は、原則として不動産の所有者がその動産の所有者となります。

つまり息子から父親へ増改築部分の所有権が移転する(贈与)ため、息子が「その分のお金を私に払ってください」という権利を行使しないと父親に対して贈与税が発生する可能性があります。

そうしないためには「親子で増改築資金の貸し借り契約書を作成し、利息なども含めて適正に精算する方法」「増改築分の資金と建物の持分の価値が等しくなるように、息子にその持分の移転登記を行う方法」「付合が生じないように、例えば1階と2階を区分所有登記で別々にしてしまう方法」などがあります。

ただし、これらの対策を講じた場合でも、その方法によっては「父親に譲渡所得の課税」などの問題が生じる可能性もあります。意外と見過ごされがちですが、これはとても身近な問題ですので気になる方はご相談ください。

 

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ワールドワイドな視点で捉えた税金事情】

「税金が家計を圧迫するから、老後は海外で暮らしたほうが・・・」と考える方もいるのではないでしょうか。それでは実際に比較してみましょう。

まずは消費税。欧州は税率が比較的高く、スウェーデンやノルウェーなどでは25%でイギリスやフランスなどでは20%となっています。アメリカでは州ごとに異なりますが8~9%台が多いようです。

次に個人にかかる個人所得課税ですが、日本の最高税率は55%、イギリスは45%、アメリカでは約50%です。ただ、各国によってさまざまな控除制度などがあるため一概に税率だけで判断はできません。例えば、年収500万円で夫婦と就学中の子が2人の4人家族の場合では、年間にかかる税金は日本では約16万円、イギリスでは約62万円、アメリカでは約5万円と実際にはかなりの差があります。

さらにこれに社会保険料も考慮したらどうでしょう。国民が負担した税金と社会保険料の合計金額を国民所得で割った数値を「国民負担率」といいますが、2016年の日本の数値は約43%で所得の半分近くを税金と社会保険料が占めています。ただ、これがイギリスでは約47%、アメリカは約33%、何とフランスでは約67%となっています。このような結果から突出して日本の税金が高いというわけではなさそうです。税金が何にどのように使われるかに注目したいですね。

 

税務のマメ知識

最近では多くの企業がテレワーク(在宅勤務)制度を導入するようになりました。しかし、自宅で通常の業務を行おうとすれば電気代やインターネットの通信費など「それまで発生していなかった費用」が新たに発生する事態となります。そこで今回は、本来ならば負担しなくてもよい経費を従業員に負担してもらった場合、それを在宅手当として支給する際の税金の取り扱いを考えてみましょう。

原則的には会社が従業員に支給する金品は、給与や賞与といった名目に関係なく給与課税の対象となります。ただし、業務の遂行上必要なものであり、本来は会社が負担すべき費用の実費を支払うのであれば「通常必要とされる範囲内」で課税されません。つまり従業員が業務の使用量に応じて通信費や光熱費などの明細を提示し、実費を精算するような場合は非課税となります。

一方、会社が業務に必要な費用の補助として一律に従業員に在宅手当を支給する場合は給与課税の対象となります。実際にはなかなか難しいとは思いますが、従業員それぞれに実費を精算してもらったほうが給与として課税されないので社会保険料などの負担も軽くなります。そのためこれを機に実費精算のルールを作ってもいいかもしれませんね。何よりテレワークは自己管理がとても大切です。くれぐれも体調管理には十分に気を付けましょう。

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