税務のマメ知識

【個人住宅で「民泊」を行った場合の税務申告】

 日本に訪れる外国人観光客の数は年々増加の一途をたどっています。そのためホテルの客室数が足りず、一般の住宅(戸建やマンションなど)の全部や一部を活用して宿泊サービスを行う「民泊」が急増しています。

2018年6月に住宅宿泊事業法が施行されてから民泊は「旅館業法の許可を得る」「国家戦略特別区域法の認定を得る」「住宅宿泊事業法の届出をする」のいずれかの方法で行います。中でも個人の住宅を利用して民泊を行う場合は、住宅宿泊事業法の届出をして行いますが当然、その際に発生する宿泊料などの収入は税務申告が必要です。

これは原則として「雑所得」に区分されますが、民泊が事業的規模で行われていることが客観的に明らかであれば「事業所得」として申告することになります。また不動産賃貸業を営んでいる人が、空き物件を一時的に民泊として貸した場合は「不動産所得」に含めて申告しても差し支えありません。

いずれにしてもきちんと税務申告をすることは大切です。その際に収入から差し引くことができる経費としては仲介事業者への手数料、管理費、広告宣伝費、通信費、家屋の減価償却費などがあります。水道光熱費や固定資産税など、費用が業務用と生活用の両方に含まれるものについては、例えば宿泊させた日数など合理的な方法によりあん分して計算します。

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【2018年度のマルサの概要】

 国税庁から2018年度の査察の概要が発表されました。査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追求し、その者を罰することで他の人々が同じような過ちを犯さぬよう戒め、適正で公平な課税の実現と申告納税制度を維持することを目的としています。

今回、発表された査察による告発件数は121件でしたが、中でも消費税の還付制度を悪用した「消費税受還付事案」、故意に申告しない「無申告ほ脱事案」、海外取引を悪用した「国際事案」など重点事案と呼ばれるもので全体の半数近くを占めていました。

消費税受還付事案は、2014年の告発件数は5件で約1億円の不正還付額だったものが、今回は16件で約19億円と急激に増加しており、未遂犯についても過去最多の告発件数でした。

また無申告ほ脱事案の告発件数は18件、国際事案の告発件数は20件で、これらを含む脱税総額は112億円でした。そして2018年度中に一審判決が言い渡された件数は122件で、その全てに有罪判決が出され7人に実刑判決が下されました。中でも最も重い実刑判決は懲役4年6カ月でした。

売り上げの除外や架空経費を計上するなど告発とまではならないものの所得隠しを行えば本来、納めるべき税金の他に重加算税や延滞税などが課されます。それこそ割に合いません。適正な納税による健全な経営が最強ですね。

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 【個人事業主の事業承継を促進する制度】 

2019年度の税制改正において個人版事業承継税制が創設されました。この制度は、事業で使用している宅地や建物などの資産に対する贈与税・相続税の全額の納税が猶予されるものです。

また後継者の死亡など一定の事由が生じた場合には、猶予されている贈与税・相続税の納税の全部または一部が免除されます。具体的には青色申告に係る事業(不動産貸付業などを除く)を行っていた事業者の後継者が2019年1月1日から2028年12月31日までに贈与や相続などにより特定事業用資産を取得した場合に適用されます。

特定事業用資産とは、先代の事業者が事業に使用していた400平方メートルまでの宅地や床面積が800平方メートルまでの建物、自動車などの資産で、贈与や相続などが発生した年の前年分の事業所得に関する青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

税金の負担を軽くする事業承継税制はすでにありますが、従来の制度は法人の自社株に対するものであり、個人事業主を優遇する制度ではありませんでした。今回の創設により個人の事業承継が円滑に進むことが期待されます。

ただし、この制度を活用するためには年齢制限などの条件や、事前に「個人事業承継計画の提出」「経営承継円滑化法による認定」などが必要となりますので詳細についてはご相談ください。

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【国税庁が導入するAIとは】

 国税庁は2019年度にAI(人工知能)に関連する予算を初めて計上し、2020年1月から「チャットボット」による税務相談を試験的に導入する予定です。

チャットボットとは「おしゃべり」を意味する「チャット」と「ロボット」を組み合わせた造語で、人工知能を活用した自動会話プログラムのことです。身近なところではスマートフォンに搭載されている音声アシスタントや、アマゾンやグーグルのスマートスピーカーなどもそのひとつです。

今まで税務署の職員が行っていた対応業務をAIが代行するのです。最近では企業のホームページの下方などに「チャット受付中です。お気軽にお問い合わせください」といったメッセージを見掛けたことはないでしょうか。このような感じで国税庁も税に関する相談を土日、夜間など日時に関係なくホームページ上で対応し、納税者のニーズに沿った相談事務の効率化を図ろうと考えています。

最初はサラリーマンや年金受給者の確定申告に関する質問に対応する予定です。例えば「住宅ローン控除に必要な書類は何ですか?」「医療費控除で予防接種は控除の対象になりますか?」などといった簡易な質問に対しチャットボットで回答するようです。画面の向こう側に税務署の職員が待機しているわけではないので一度、試してみるといいかもしれませんね。

 

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【暮らしに深くかかわっている関税のお話】

 

2019年2月1日に発効されたEPA(日欧経済連携協定)により関税の削減や撤廃がありました。これに伴い欧州連合(EU)からの豚肉やワイン、チーズなどの輸入が前年同月に比べて大幅に伸びました。

関税は歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、幾多の変遷を経て今日では「輸入品に課される税」として定義されています。

かつては他の税金と同様に国家の財源として重要な位置を占めていましたが、経済活動のグローバル化によって国家の財政規模が巨大になると財源調達としての意義は小さくなり、現在では「国内産業の保護」という機能のほうが重要となっています。それは、関税が課せられるとその分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下するからです。

例えば、それまでフルボトルサイズの一般的なワインでは最大約94円、スパークリングワインでは一律約137円の関税が課されていましたが今回、これが撤廃されました。チーズも29.8%の関税率がEPA発効直後には27.9%となり、さらに段階的に下げていきます。

こうしたことにより価格の低下が見込まれ、消費者の利益になりそうですが、一方で輸入の拡大で競争が激しくなる国内生産者からは不安の声が出ています。私たちには縁遠いものに思える関税ですが、日々の暮らしに深くかかわっているようですね。

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