税務のマメ知識

【税務署はタンス預金をお見通し?】

 個人的な財産について、税務署はどの程度まで把握しているのだろうか。このような疑問を抱いたことはありませんか?不動産や預金、株などは法務局や銀行、証券会社に問い合わせれば容易に把握できますが、タンスの中の現金までは分からないだろうと思っている人は多いのではないでしょうか。ところが、これがそうでもないのです。

国税庁では適正かつ公平な税金の負担や、その徴収の実現のために申告書の収受や処理、納税者の管理、調査・指導、資料情報の収集や管理、税務に関する相談などといった一連の業務について「国税総合管理(KSK)システム」を使っています。これは全国の国税局と税務署をネットワークで結び、情報を一元的に管理するシステムです。私たちの収入や財産は、給与の源泉徴収票や毎年の確定申告により把握されているのです。

例えば、ある家族に相続が発生した場合、被相続人(亡くなった人)の生前の収入からすると2億円ほどの財産があってしかるべきだとKSKシステムが予想したのに対し、申告書には1億円と記載されていたとします。被相続人が生前に使ってしまったのか、またはタンス預金などで1億円ほど隠し持っているのか。それを確かめるために税務調査官が出向いて真実を追求する流れとなります。悪いことはできない仕組みになっているようですね。

税務のマメ知識

【会社に飾る絵画は経費で処理できる?】

 

「会社に飾るため地元の作家の絵画を購入しようと考えています。絵画は経費として処理してよいのでしょうか」という質問がありました。

事業などの業務のために用いられる資産で、建物や備品など時間の経過によってその価値が減っていく資産を減価償却資産といいます。絵画や彫刻などの美術品が減価償却資産に該当するかに関して、2015年以後に取得するものから新しい取り扱いが適用されています。それ以前は1点20万円(絵画は号当たり2万円)以上かどうかなどで判定されていましたが、実態と照らし合わせて改正後は1点100万円未満である美術品は原則として減価償却資産に該当し、100万円以上のものについては非減価償却資産として取り扱います。

ただし、金額に関係なく時間の経過により価値が減少することが明らかなものは減価償却資産として、逆に価値が減少しないことが明らかなものは非減価償却資産として取り扱われるため注意が必要です。倉庫などに保管されている絵画などでも維持管理がされており、いつでも展示できる場合は減価償却資産の対象となります。

また「何年で償却するか」という法定耐用年数は、金属製の彫刻などは15年、それ以外の彫刻や絵画、陶磁器などは8年です。ちなみに絵画の場合、額縁の費用についてもその絵画の一部として取得価額に含められます。

税務のマメ知識

【少数株主の権利とその対策について】

今回は、少し税務から離れて「株式」について考えてみましょう。2006年5月に新会社法が施行されましたが、基本的に株主より相対的に立場が弱い債権者保護に重きを置くものでした。と同時に、株主の中でも株主総会の多数決で必ず負けてしまうような「少数株主」の権利も拡充されました。

これにより少数株主でも経営者にとって脅威となることがあります。少数株主の権利には株主総会提案権・帳簿閲覧権・取締役等の解任請求権・株主総会招集権などがあり、それらを行うための要件には議決権数と株式数、保有期間があります。

具体的な例を挙げると、会社の帳簿を閲覧するには「総株主の議決権の3%以上または発行済株式総数の3%以上」の株式を所有していればよく、株式の保有期間の定めはありません。また株主総会を招集するには「総株主の議決権の3%以上」の株式を所有し、それを行う前に6カ月以上の保有期間があればOKです。このように少数株主でも会社に対して色々な権利を行使することは可能となりました。

これらの対策としては「新たな少数株主を生まない工夫」「少数株主からの株式の買い取り」「会社の実情に合わせて発行できる種類株式の活用」などがあります。すでに少数株主が存在している会社は、どのような権利やリスクがあるのか具体的に確認しておきましょう。

税務のマメ知識

【2019年度の税金の滞納状況】

 

国税庁は2019年度の税金の滞納状況を発表しました。税金は期限までに納めるルールですが、資金繰りなどさまざまな状況によって納めることができない納税者もいます。

その滞納残高は7554億円で昨年度と比較すると6.9%減っています。これは21年連続で減少しています。また新たに発生したのは5528億円で、これも10%減少しています。ただし、今年度は新型コロナウイルス感染症に起因する急激な売り上げの減少による資金繰りの悪化に対応すべく、申告期限の延長や納税が猶予される特例申請が設けられたために滞納額も減少したとみられています。

税目別で見てみると、新たに発生した滞納で一番多かったのが消費税の3202億円で全体の約60%でした。その次に所得税の1249億円、次いで法人税の765億円となっています。

税金を期限までに納付しなければ利息に相当する延滞税がかかります。延滞税は納期限の翌日から2カ月までは原則7.3%(2020年12月31日までは2.6%)、2カ月を経過した以後の分に関しては原則14.6%(2020年12月31日までは8.9%)かかります。

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、申請により最大1年間の納税が猶予されますが、延滞税も免除されますので、対象となる方は制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

税務のマメ知識

【生命保険の契約者変更に関する税金】

 

「子どもに掛けていた生命保険の契約者を親である私から本人に変更しようと考えています。保険料はずっと私が支払ってきましたが、変更するとこれまでの分に税金はかかるのでしょうか」という質問がありました。

子どもの就職や結婚を機に生命保険の契約内容を見直すことは多いでしょう。生命保険を契約する際は、契約者(保険料の負担者)・被保険者・受取人を指定します。このうち契約者と受取人は途中で変更することができます。保険契約の期間中に契約者を変更した場合、この時点では保険金の支払いは発生していないため、それまで支払ってきた保険料を新たな契約者に贈与したことにはならず税金はかかりません。しかし、その後に解約返戻金や満期返戻金、死亡保険金などを受け取る場合には税金の対象となります。

生命保険は契約者・被保険者・受取人の関係性で受け取ったときの税金の種類が変わります。それは「誰が保険料を支払っていたのか」によって相続税や贈与税などがかかる場合があるということです。

満期を迎えて子どもが保険金を受け取った場合は、親であるあなたが負担した部分は贈与税、子ども自身が負担した部分は所得税の対象となります。当然ですが、それぞれの税金の基礎控除額を超えたときには契約者である子ども自身が申告して納税する必要があります。

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