税務のマメ知識

【共働き世帯に効果的な節税方法とは】

 「小学生の子ども1人と夫婦の3人で暮らしています。共働きですが、子どもが大学に進学するまでに上手に貯めていけたらと思っています。できれば税金の負担を軽くしたいのですが、何か良い方法はあるでしょうか」という質問がありました。最初に節税の基本について2つご紹介します。

1つ目は「所得控除」と「税額控除」です。所得控除は税金を算出する前の所得を下げる方法です。一方、税額控除は算出された所得税から税金そのものを控除する方法です。そして2つ目は収入の多い人から優先して所得を減らすという方法です。

所得税は所得に税率を掛けて算出されますが、日本の課税制度では所得が高ければ高いほど税率は上がります。そのためより節税になる方法としては、夫婦のうち収入の多いほうから先に所得を下げるのが得策です。

上記のような点から共働き世帯に効果的な節税方法としては「住宅ローンを夫婦で活用する」「医療費控除を受ける」などが代表的でしょう。住宅ローン控除はそれぞれがローンを活用して税額控除を受けることができます。医療費控除は生計を共にしている家族であれば、その世帯の医療費の合計額について所得の高い人がまとめて所得控除を受けるほうが効果的です。この他にも「親を扶養に入れる」など節税方法は多いので上手に活用して将来設計をしましょう。

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【健康経営の一環として「揚げ物税」】

 人手不足が叫ばれる中、できるだけ働きやすい環境を整えて社員を少しでも長く健康に勤められるようにと、工夫を凝らした福利厚生に力を入れる企業も多くなりました。インターネット関連サービス大手のヤフー株式会社では、社員の健康増進に役立てるために独自の税を導入したそうです。

その名も「揚げ物税」。これは社員食堂で提供する揚げ物料理の一部について100円値上げするというものです。一方、魚料理については「お魚還元」として150円値下げしました。例えば、チキン南蛮定食は591円から691円に、サバのみそ煮定食は693円から543円に。ヤフーの社内調査によれば、社員が昼食で脂質を取りすぎる傾向にあるという実態が判明し、それが多く含まれる揚げ物料理を控え、よりヘルシーな魚料理を食べてもらおうという社員の食生活の改善を狙うことを目的にこの制度を設けました。

ヤフーでは以前から「社員の健康は生産性の向上につながる」という「健康経営」に取り組んでおり「社員の健康は企業の繁栄にもつながる」という発想をもっていたそうです。値上げするだけでなく健康に良いメニューをお値打ちに提供することにより、社員の体と懐の負担を軽くして元気に長く働くことができる仕組み。このようなユニークな税制度は今後、多くの企業で導入されていくかもしれませんね。

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【個人住宅で「民泊」を行った場合の税務申告】

 日本に訪れる外国人観光客の数は年々増加の一途をたどっています。そのためホテルの客室数が足りず、一般の住宅(戸建やマンションなど)の全部や一部を活用して宿泊サービスを行う「民泊」が急増しています。

2018年6月に住宅宿泊事業法が施行されてから民泊は「旅館業法の許可を得る」「国家戦略特別区域法の認定を得る」「住宅宿泊事業法の届出をする」のいずれかの方法で行います。中でも個人の住宅を利用して民泊を行う場合は、住宅宿泊事業法の届出をして行いますが当然、その際に発生する宿泊料などの収入は税務申告が必要です。

これは原則として「雑所得」に区分されますが、民泊が事業的規模で行われていることが客観的に明らかであれば「事業所得」として申告することになります。また不動産賃貸業を営んでいる人が、空き物件を一時的に民泊として貸した場合は「不動産所得」に含めて申告しても差し支えありません。

いずれにしてもきちんと税務申告をすることは大切です。その際に収入から差し引くことができる経費としては仲介事業者への手数料、管理費、広告宣伝費、通信費、家屋の減価償却費などがあります。水道光熱費や固定資産税など、費用が業務用と生活用の両方に含まれるものについては、例えば宿泊させた日数など合理的な方法によりあん分して計算します。

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【2018年度のマルサの概要】

 国税庁から2018年度の査察の概要が発表されました。査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追求し、その者を罰することで他の人々が同じような過ちを犯さぬよう戒め、適正で公平な課税の実現と申告納税制度を維持することを目的としています。

今回、発表された査察による告発件数は121件でしたが、中でも消費税の還付制度を悪用した「消費税受還付事案」、故意に申告しない「無申告ほ脱事案」、海外取引を悪用した「国際事案」など重点事案と呼ばれるもので全体の半数近くを占めていました。

消費税受還付事案は、2014年の告発件数は5件で約1億円の不正還付額だったものが、今回は16件で約19億円と急激に増加しており、未遂犯についても過去最多の告発件数でした。

また無申告ほ脱事案の告発件数は18件、国際事案の告発件数は20件で、これらを含む脱税総額は112億円でした。そして2018年度中に一審判決が言い渡された件数は122件で、その全てに有罪判決が出され7人に実刑判決が下されました。中でも最も重い実刑判決は懲役4年6カ月でした。

売り上げの除外や架空経費を計上するなど告発とまではならないものの所得隠しを行えば本来、納めるべき税金の他に重加算税や延滞税などが課されます。それこそ割に合いません。適正な納税による健全な経営が最強ですね。

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 【個人事業主の事業承継を促進する制度】 

2019年度の税制改正において個人版事業承継税制が創設されました。この制度は、事業で使用している宅地や建物などの資産に対する贈与税・相続税の全額の納税が猶予されるものです。

また後継者の死亡など一定の事由が生じた場合には、猶予されている贈与税・相続税の納税の全部または一部が免除されます。具体的には青色申告に係る事業(不動産貸付業などを除く)を行っていた事業者の後継者が2019年1月1日から2028年12月31日までに贈与や相続などにより特定事業用資産を取得した場合に適用されます。

特定事業用資産とは、先代の事業者が事業に使用していた400平方メートルまでの宅地や床面積が800平方メートルまでの建物、自動車などの資産で、贈与や相続などが発生した年の前年分の事業所得に関する青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

税金の負担を軽くする事業承継税制はすでにありますが、従来の制度は法人の自社株に対するものであり、個人事業主を優遇する制度ではありませんでした。今回の創設により個人の事業承継が円滑に進むことが期待されます。

ただし、この制度を活用するためには年齢制限などの条件や、事前に「個人事業承継計画の提出」「経営承継円滑化法による認定」などが必要となりますので詳細についてはご相談ください。

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