税務のマメ知識

【暮らしに深くかかわっている関税のお話】

 

2019年2月1日に発効されたEPA(日欧経済連携協定)により関税の削減や撤廃がありました。これに伴い欧州連合(EU)からの豚肉やワイン、チーズなどの輸入が前年同月に比べて大幅に伸びました。

関税は歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、幾多の変遷を経て今日では「輸入品に課される税」として定義されています。

かつては他の税金と同様に国家の財源として重要な位置を占めていましたが、経済活動のグローバル化によって国家の財政規模が巨大になると財源調達としての意義は小さくなり、現在では「国内産業の保護」という機能のほうが重要となっています。それは、関税が課せられるとその分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下するからです。

例えば、それまでフルボトルサイズの一般的なワインでは最大約94円、スパークリングワインでは一律約137円の関税が課されていましたが今回、これが撤廃されました。チーズも29.8%の関税率がEPA発効直後には27.9%となり、さらに段階的に下げていきます。

こうしたことにより価格の低下が見込まれ、消費者の利益になりそうですが、一方で輸入の拡大で競争が激しくなる国内生産者からは不安の声が出ています。私たちには縁遠いものに思える関税ですが、日々の暮らしに深くかかわっているようですね。

税務のマメ知識

【約40年ぶりの改正で守られる権利とは】

 私たちにとって最も身近な法律が民法でしょう。その1000を超える膨大な条文を大きく2つに分けると、財産に関するものと家族に関するものになります。前者は「財産法」、後者は「家族法」などと呼ばれています。

そして、2018年7月には高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに家族法の中の相続に関する部分が大きく改正されました。具体的には「配偶者居住権の創設」「自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能」「法務局で自筆証書による遺言書が保管可能」「被相続人の介護や看護で貢献した親族は金銭要求が可能」といった内容が主な改正点となります。

そこで今回は「配偶者居住権」について説明します。例えば、夫を亡くした妻がいたとします。夫が亡くなるまで一緒に住んでいた自宅の所有権を、何らかの理由でその妻が相続しなかったとしてもずっと自宅に住むことのできる権利が配偶者居住権です。

これによって親族間で相続財産の分割協議でもめていたとしても、妻は自宅に住む権利は認められているため路頭に迷うことはありません。またこの配偶者居住権は相続税にも影響を及ぼすことがあるので事前にしっかりと相続対策を行う必要があるでしょう。なお配偶者居住権については2020年4月1日以後に開始する相続から適用されます。

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【スマートフォンを活用した業務の効率化】

 

政府が推進する働き方改革により、全ての企業で残業時間を減らし従業員の有給休暇の取得を促進することとなりました。

しかし同時に企業の利益のために、さまざまな方法により今まで以上に労働の効率化を図っていく必要があります。昨今、IT技術の目覚ましい発展によってあらゆる場面で便利になってきました。これは日々の会計業務においても同じことが言えます。

例えば、全国を飛び回っている営業マンがいるとします。一般的な場合、事前に経費を仮払いして出張に出掛けるでしょう。そして、それにかかった接待交際費や旅費交通費などは出張から帰った際に、担当部署に領収書の原本を提出して仮払いの精算をしていると思います。

ところが2016年の電子帳簿保存法の改正で、スマートフォン専用アプリで撮影したデータも帳簿として認められるようになりました。それにより最近ではスマートフォンで読み取った領収書を自動で会社に転送して経費が精算できるようなシステムまで登場しました。

その他に交通系ICカードの利用履歴で交通費の精算ができるようなものもあります。これらを活用することで従来の紙の領収書の保存をする必要がなくなったり、煩わしい経費の精算から解放されるようにもなります。今後は減少する労働力を身近なツールを使って補っていく時代かもしれませんね。

 

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【サラリーマンが知って得する特定支出控除】

 サラリーマンの方でも文具など仕事のために自己負担する費用がある場合、これを考慮して一定の金額を控除する制度があります。この制度を「給与所得控除」といい、その額は収入金額に応じて決められています。

しかし、それ以上に費用の支出がある場合には「特定支出控除」を利用することができます。特定支出の範囲は「通勤に必要な費用」「転勤の際にかかる費用」「仕事に関する研修を受けるための費用」「仕事に必要な資格を取得するための費用」「単身赴任などの場合、自宅に帰るための費用」「仕事に関連する書籍や衣服、接待などのための勤務必要経費」となります。最後の勤務必要経費の限度額は65万円です。

これらの合計金額が給与所得控除額の半分を超えるときは、確定申告による恩恵を受けることができます。例えば年収500万円の人の場合、給与所得控除額は154万円です。そして特定支出の合計金額が100万円だったとすると、100万円から154万円の2分の1である77万円を引いた23万円が特定支出控除額となります。

なお、確定申告の際には特定支出に関する明細書や給与支払者の証明書などを添付する必要があります。貴重な時間を割いて仕事に必要な資格を取得するような人にとっては、それに費やす金額もかなりの負担となるため、この制度を有効に活用できるといいですね。

税務のマメ知識

【日本を出国する人の納税義務】

 日本に入国する外国人旅行者が増えれば当然、その分だけ出国する旅行者の数も増えます。そこで世界の多くの国が導入している「出国税」が2019年1月7日から日本でも導入されました。正式には「国際観光旅客税」といいます。

これは国籍に関係なく1人につき一律1000円の税金が、原則として航空券やツアー代金などに上乗せされるものです。出国時に別途税金を納めるというわけではないため気が付かない人も多いでしょう。ただし、日本の空港で乗り継ぎする場合など日本に入国して24時間以内に出国する人や2歳未満の子どもなどは対象外となります。

政府はこの出国税によって年間約400億円の税収を見込んでいるようですが、その使い道は「ストレスフリーで快適な旅行ができる環境の整備」「日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化」「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」となっています。

ところで世界に目を向けてみると、すでにアメリカ、オーストラリア、イギリス、タイ、カンボジア、韓国など多くの国で導入されており、中でもオーストラリアでは日本円で約5000円とかなり高額です。いずれにしても導入されたからには観光先進国の実現に向けてきちんとした取り組みを実施し、有意義に活用してもらいたいですね。

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