所長の一言 令和2年9月

令和2年10月より酒税率が改定されます

 

令和2年10月1日より、酒税法の税率変更が行われます。この税率変更により、ビール系飲料は一部増税・一部減税、清酒は減税、ワイン等果実酒は増税されることになります。

ここでいうビール系飲料は、ビール・発泡酒・新ジャンルの3つに分けられ(分類は主に原材料の種類や使用比率によっています)、税額にしてビールは図1括弧内350ml、ビール缶にして1缶あたり約77円から約70円に減税、発泡酒はそのまま、新ジャンルいわゆる第3のビールと呼ばれている商品は1缶あたり約28円から約37.8円に増税されます。

 

 

低価格でビールと同じようなテイストで人気を博している新ジャンルですが、今後は、令和8年10月までの6年間にわたり、ビール系飲料はすべて同じ税率に改定されていきます。同じ価格を維持するためには原材料等見直す必要が出てきますし、値上げをすると直に売上高に反映してきますので、製造メーカーは厳しい状況に立たされることが必至です。

 

そうなると製造メーカーは、値上げをするか、製造原価を下げるか、第4のビールを生み出すかに迫られます。そうすると・・・という具合に1つの事象から見えてくることは沢山あるので、こういったニュースを分析することは本当に興味深いと感じる今日この頃です。

阪本司法書士事務所 令和2年8月

【今月のテーマ】『建物の登記について』(その1

今月から何回かに分けて、「建物の登記」にまつわる話題をご紹介していきたいと思っております。建物登記にも色々な種類がありますが、まずは「表題登記」についてです。表題登記とは、建物を新築した時に法務局に申請するいちばん最初の登記で、下の登記簿見本の上部にある「表題部」という枠線内の部分のことで、記載内容は「所在・家屋番号・種類・構造・床面積・所有者」です。

 

この表題登記は、法律によって登記申請が義務付けられており、建物新築後1ヶ月以内に登記申請をしないと、10万円以下の過料を国に支払わなければならないとされています。これは、建物が確かにその場所に存在していることや、納税義務者が誰なのかを国(市町村)が正確に把握し、固定資産税・都市計画税といった税金を間違いなく課すという公益的な理由があるためで、他の登記については任意であるのに対し、この表題登記に関しては特別に義務化されている訳です。

 

ちなみに表題登記の業務は、司法書士ではなく土地家屋調査士の専門になります。では司法書士の業務は何なのか?といいますと、「表題部」が出来た後の「権利部(甲区)…誰が所有者かを記載する部分」と「権利部(乙区)…抵当権・根抵当権・賃借権等の有無を記載する部分」を登記する業務です。

 

さて、このように建物表題登記は法律で義務付けられている重要な登記ですが、中には登記をしていない「未登記家屋」と呼ばれる建物も存在します。次回は、未登記家屋の問題点についてご紹介したいと思っております。

所長の一言 令和2年8月

業績悪化による役員報酬の減額について

 

役員報酬を当期の経費として損金算入するためには、「定期同額給与」、「事前確定届出給与」、「利益連動給与」の中から選択し、支給しなければいけません。

上記の3つの中で、一般的に用いられるのが、「定期同額給与」です。定期同額給与は、事業年度開始後3ヵ月以内に株主総会・取締役会等の機関で決定し、期中は毎月同じ金額を支払っていきます。

 

役員報酬として毎月同額を支払っていくので、決定した役員報酬を期中で変更することは原則できません。しかし、「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」(これを業績悪化改定事由といいます)がある場合には、減額をすることが可能です。

 

では、業績悪化改定事由で一旦減額した定期同額給与を、業績が回復してきたことを理由に、元の報酬に戻すことは可能でしょうか?この場合は、増額改定とみなされ、増額した部分が損金不算入になることが考えられます。

また、同じ会計期間に複数回、業績悪化改定事由として役員報酬を減額した場合については、どうでしょうか?この業績悪化改定事由は、経営状況が著しく悪化したことなどによって役員報酬を減額することを想定した規定ですが、複数回の減額について想定したものではないため、恣意的な利益調整とみなされ、2回目以降の減額改定が否認されることも考えられるため注意が必要です。

 

現在のコロナ禍等で経営状況が悪化し、経費の節減を検討する際に、役員報酬は見直しやすい経費です。しかし、期首の報酬額の決定の際には、その事業年度の展望などを踏まえ慎重に決定し、その期中に減額できるのは、やむを得ない事情に限られますので、むやみに変更をするべきではありません。また、従業員の給与とは異なり、株主総会等での意思決定機関で決定するため、議事録等も必要となります。ご不明な際は、弊社までご相談ください。

阪本司法書士事務所 令和2年7月

【今月のテーマ】『相続放棄と亡くなられた方の葬儀費用について』

 

今月は、「相続放棄」にまつわる話題をご紹介します。

 

亡くなられた方(被相続人といいます)にプラスの財産よりもマイナスの方が多い(被相続人自身の借金の他、他人の借金の保証人になっていた場合等)といった事情から、相続したくない場合は、家庭裁判所が関与する「相続放棄」の手続きをすることで、その相続に関しては最初から相続人でなかったものとみなされ、財産も債務も一切引き継ぐことはありません。この「相続放棄」の制度自体は、ご存知の方も多いかと思います。

 

さて、この相続放棄をする場合の注意点としては、「相続財産の処分」をした後ではできないということです。ここで問題となるのは、被相続人の葬儀費用を被相続人の手許現金や預貯金から支払った場合や、被相続人が葬儀会社の互助会に加入していたため、そこの互助会積立金を使って葬儀をした場合は、「相続財産の処分」にあたり、相続放棄をしたくても出来ないのか?という点です。

 

この問題について、明らかな規定は法律上存在しませんが、過去の判例では、「葬儀費用を支払うことは道義上必然であるため、葬儀費用の支払いが一概に相続財産の処分に該当するとはいえない」とされており、現在でもそのように解釈されています。

 

しかし、葬儀費用が相続財産の処分に該当しないからといって、必要以上に豪華な葬儀を執り行った場合でも、相続放棄は認められるのでしょうか?

この点についても、法律で明確に定められてはいませんが、社会的に相応と考えられる必要最低限の支出であれば、相続財産の処分には該当しないと解釈されています。

では、「社会的に相応と考えられる葬儀費用の金額」とは、一体いくらなんでしょうか。これについても、法律に明確な規定はないのですが、葬儀費用に数百万円もかけてしまうと、社会的に相応であると考えることは難しいのは明らかです。

もちろん、各ご家庭で状況は異なりますから、100万円未満が一応の目安と考えてよいでしょう。

 

また、葬儀を執り行うと、参列者から香典や弔慰金を受け取ることが多いかと思います。一般的に、香典や弔慰金は死者の霊前に供える金銭ですが、「葬儀で出費がかさむだろうから」というような、ご遺族へ向けた助け合いの意味も込められた金銭です。

 

そのため、まずは、この香典や弔慰金から葬儀費用を捻出すべきです。そして、その不足額がある場合に、被相続人のお金から工面するようにしましょう。でないと、相続財産を処分したと判断され、相続放棄できなくなりかねませんので、注意が必要です。

所長の一言 令和2年7月

-消費税の課税選択の変更に係る特例について-

課税期間開始後であっても、消費税の課税事業者を選択する(やめる)ことができる!!

 

消費税の課税制度を選択していた事業者が、条件次第では、課税期間の開始後に消費税の免税事業になることができる特例が施行されています。

その条件とは

①令和2年4月30日以後に申告期限が到来する課税期間において

②新型コロナウイルスの影響により令和2年2月1日から令和3年1月31 日までの期間のうち、1ヶ月以上の任意の期間の収入が、前年同期と比べて概ね50%以上した場合で

③当該課税期間の申告期限までに申請書を提出した場合です。

 

消費税の免税事業者が翌期に設備投資を行う予定で、課税事業者を選択していたが、今回のコロナ禍によって設備投資が翌期以降になった場合に有効な特例だと考えられます。

また、同じく免税事業者が事業年度中に課税事業者の選択をすることが可能な特例でもあります。これは、事業年度中、収入以上に費用や設備投資の額が多くなってしまった事業者に有効だと考えられます。

この特例は、従前の課税事業者の選択とは異なり、一定期間の継続要件、いわゆる2年縛り、3年縛りが除外されるため、その事業年度のみで完結することができます。

その他、新型コロナウイルスの影響により、簡易課税制度の適用を受ける(又はやめる)必要が生じた場合、その被害を受けた課税期間から、簡易課税制度の適用を受ける(又はやめる)ことができる制度でも

あるため、事業者は柔軟に対応することができます。くわしくは、弊社までお問合せください。

図 消費税の課税事業者の選択例(財務省HPより引用)

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