所長の一言 平成31年4月

いよいよ新元号が発表になり、2019年5月1日からは『令和』として新しい和暦が始まります。同日、剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)が執り行われ、三種の神器など皇位の証が新天皇に引き継がれます。

天皇家にゆかりのある地域は数多くあるかと思われますが、飛騨地方もそのひとつといえるのではないでしょうか?

その理由として、天皇が即位の礼で、手にお持ちになる笏(しゃく)が、位山のイチイの木から作られ献上されることが挙げられます。イチイの木は元は櫟(あららぎ)と呼ばれていましたが、朝廷に位山の櫟を笏の材料として献上した際、この木が一位の官位を賜ったことから木はイチイ、山は位山と呼ばれる「聖徳太子 イラスト」の画像検索結果ようになったという説があります。現在でも歴代天皇の御即位の際、位山のイチイから作られた笏が、献上されています。

また、三種の神器=鏡・勾玉・剣のうち、剣にあたる天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)が、第二次世界大戦の際、戦火を逃れるため、位山をご神体とする飛騨一宮水無神社に避難していたといわれています。

三種の神器は、天皇が崩御された際、相続により受け継がれて来ました。相続税法第12条に、次の天皇が皇位継承とともに受け継いだものは非課税という規定があったため、相続税は課税されませんでしたが、今回の皇位継承は生前退位のため、贈与税の課税が心配されていましたが、退位特例法により贈与税も非課税となることになりました。

三種の神器を時価評価しようとするならば、どれほどになるのでしょう?見当もつきません。

阪本司法書士事務所 平成31年3月

【今月のテーマ:『120年ぶりの民法大改正について(その10

民法が大改正される中、相続に関する規定(以下、相続法)も大幅に見直されることになりました。今回の相続法の見直しは、高齢化社会の進展等に対応するもので、多岐にわたる改正項目が盛り込まれています。

今号では2020年4月1日から施行されることが決まった「配偶者居住権」についてご紹介したいと思います。

 

配偶者居住権とは、どんな権利?

相続開始時に被相続人所有の建物に居住する配偶者が、相続開始後、終身その建物を無償で使用することができる権利です。

 

 配偶者居住権創設の背景

これまで、被相続人の遺産が自宅の他にはめぼしいものがないというケースでは、他の相続人に対する代償金を支払うための現金や預貯金がないために、配偶者が自宅を相続することができず、自宅を手放さざるを得ないという事態が生じていました。

また、「自宅を配偶者以外の者に相続させる」との遺言がある場合では、自宅を相続した相続人から立ち退きを求められると、配偶者は立ち退かざるを得ませんでした。

しかし、高齢者が住み慣れた自宅を離れることは、精神的にも肉体的にも負担が大きく、このような事態が生じないようにする必要があります。

そこで、改正相続法では「居住権」という権利を新たにつくり、「所有権」と「居住権」を分けることで、この問題を回避できるという考えに基づき、「配偶者居住権」の制度が設けられました。

 

配偶者居住権の成立要件

配偶者居住権は、次の要件が揃えば成立することになります。

①配偶者が、被相続人の遺産である建物に、相続開始の時に居住していたこと

②以下の(ア)(イ)(ウ)のいずれかを満たすこと

(ア)遺産分割によって、配偶者が配偶者居住権を取得する

(イ)配偶者居住権が遺言によって遺贈の目的とされる

(ウ)被相続人と配偶者間で、配偶者居住権を取得させる旨の死因贈与契約をする

 

今回ご紹介した「配偶者居住権」は、存続期間は原則的に配偶者の終身とする長期的な権利ですが、これとは別に「配偶者短期居住権」という制度も創設されていますので、次号で引き続きご紹介いたします。

所長の一言 平成31年3月

今年も個人のお客様の確定申告提出期限3月15日を無事に終え、ホッとしているところです。

 昨今、社会全体が高齢化するなかで、今後10年の間に平均引退年齢である70歳を超える中小企業の経営者は約245万人となり、そのうちの約半数が後継者未定とされており、後継者不足が深刻化しています。そのような背景を踏まえ、事業を引き継いでくれる次世代に税負担を軽減させる観点から、平成31年度税制改正大綱では、「個人事業者の事業用資産に係る納税猶予の創設」として以下のような内容が提案されています。

認定相続人が平成31年(2019年)1月1日から平成40年(2028年)12月31日までの間に、相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税の納税を猶予する。ただし、この納税猶予制度と特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例とは、選択適用とする。

この注意点としまして、

①前提として“承認計画”という事業承継を行う前後の事業計画等が記載された計画が必要であること。

認定相続人という、その承認計画に記載された後継者に対しても納税猶予が可能であること。

③相続税法上有利な特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例との併用はできないこと。

があげられます。

 最大の注意点として、この制度でも、法人の後継者に対しての納税猶予制度である「非上場株式等に係る事業承継税制」でも言えることですが、『納税猶予』とはあくまで納税を先送りしているだけであり、決して納税額がゼロになるわけではありません。必要な要件が外れれば、贈与税等の重い税負担がのしかかってくるので、納税猶予制度は、慎重に精査し進めていかなければならないのです。

阪本司法書士事務所 平成31年2月

【今月のテーマ:『120年ぶりの民法大改正について(その9

 

民法が大改正される中、相続に関する規定(以下、相続法)も大幅に見直されることになりました。今回の相続法の見直しは、高齢化社会の進展等に対応するもので、多岐にわたる改正項目が盛り込まれています。

今号では2019年7月1日から施行されることが決まった相続法の改正点について、その概要を4つに分けてざっくりとご紹介いたします。

 

1.遺産分割等に関する見直し 

①配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規程)

②仮払い制度等の創設・要件明確化

③遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲

 

2.遺留分制度に関する見直し 

遺留分権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生じるものとしつつ、受遺者等の請求により、金銭債務の全部又は一部の支払につき裁判所が期限を許与することができるようにする。

 

3.相続の効力等に関する見直し 

法定相続分を超える権利の承継については、登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないようにする。

 

4.相続人以外の効力等に関する見直し  

相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができる制度(特別の寄与)を創設する。

 

改正法に関して個別の内容まできちんと把握することは、専門家でもかなり大変です。ここでは「相続に関する法律も、大幅に見直されることになるんだなぁ」という事だけでも、知っておいていただければ結構です。

 

次号では、2020年4月1日から施行されることが決まった「配偶者居住権・配偶者短期居住権」についてご紹介したいと思います。

 

所長の一言 平成31年2月

建物の価値とは<減価償却について>

 

いよいよ確定申告が始まり、平成30年分は2月18日(月)~ 3月15日(金)までが申告期限です。昨年1年間の個人の収入・支出を計算して、確定申告書を作成していきますが、建物を売却したという案件をほぼ毎年目にしています。

建物は資産であるとよく言われますが、確かに、自分の私財を投じて購入するので、例えば現金預金で自宅を購入した場合、現金預金が姿を変え、建物という勘定になり資産に上げられます。

ただ、購入した建物も住んでいるうちに価値が目減りし、現在の実質的な価値を算定する際に使用するのが『減価償却』という概念です。減価償却とは、固定資産の価値を減らしていく考え方で、購入した建物を木造住宅であれば22年でゼロに近づけていきます。2,200万円で購入した木造住宅なら、11年経ったら半分の1,100万円の価値、22年経ったらゼロという具合で評価していきます。

11年経った建物を1,500万円で譲渡した場合、400万円の譲渡益が発生するので、確定申告する必要が出てくるのです。

興味深いのが、財務省のホームページでも紹介されている主要国の減価償却制度の概要に、イギリスでは建物が減価償却不可となっていることです。イギリスの建物は、レンガ造りや石造りで頑丈で、築100年を越えるものが多いという国柄のため、価値は減少せず、骨董品や美術品のように時間を経過するほど価値を増すという考え方からなのかもしれません。とても優雅な考え方であると感じます。

ただこれを日本にあてはめてしまうと、いつまでも建物の価値は減らないため、固定資産税が高額のままであったり、建物が費用化できないという弊害があるので、混乱を招く可能性が大いにあります。

木造建築が主流の日本においては、使用によって価値が目減りしていくという考え方が必要で、日本には日本の、イギリスにはイギリスの土地柄によって、最適な評価がされているのでしょう。

 

(注:日本には築1000年を越えるような素晴らしい木造建築物も存在します。)

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