阪本司法書士事務所 令和3年2月

【今月のテーマ:相続登記の『義務化』について】

 

現在相続登記は義務ではなく、申請しなくても罰則はありませんが、その結果として、土地の所有者が死亡しても相続登記がされないこと等を原因として、不動産登記簿を調べても所有者が直ちに判明せず、または判明しても連絡がつかない「所有者不明土地」が生じ、その土地の利用等が阻害されるなどの問題が生じています。

国土交通省の推計によると、2016年時点で所有者不明土地は全国で410万haに上り、九州本島の面積を上回るそうです。さらに2040年までには北海道本島に匹敵する720万haに広がるとの試算もあるそうですが、法務省によると、所有者不明土地が発生する理由の66%は相続登記がないことで、34%が住所変更の不備だそうです。

こういった近年の社会経済情勢に鑑み、相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、既に生じている所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを整備する必要があることは以前から指摘されていましたが、本年2月10 日に開催された法制審議会の会議において、民法や不動産登記法の改正等に関する要綱(案)が決定し、政府は3月に改正案を閣議決定後、今国会で成立させ、2023年度に施行される予定です。

 

改正法案が成立・施行された場合、相続登記がこれまでと大きく変わることになりますので、今後の動向に注意が必要です。

改正法案のポイント

 

①相続登記が義務化される

→相続で不動産取得を知ったから3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料

②住所や氏名変更、法人の移転登記も義務化

2年以内に登記をしないと、5万円以下の過料

③土地の所有権放棄が認められる

→条件付(建物や土壌汚染がないこと、担保がないこと等)で、土地を国庫に返納可

※審査手数料と管理負担金(200㎡の宅地で80万円程度)を納入する必要あり

④所有者不明の土地・建物を活用可能になる

→公告を経て、他の共有者で管理や変更も可

→補修や短期賃貸借を共有者の過半数で決定可能

→裁判所の許可で管理人を選べば売却も可能

所長の一言 令和3年2月

岐阜県でも再度緊急事態宣言が発令されました。それにより、飲食店だけではなく、飲食店の取引先、外出自粛の影響を受けた事業者が、経済的ダメージを受けることが予想されます。そこで、売上が減少した中小企業や個人事業主に対して国(経済産業省発令)から一時支援金が支給されます。

 

1.支給額

中堅・中小企業:最大60万円   個人事業主:最大30万円

※支給額=前年又は前々年の対象期間の合計売上-2021年の対象月の売上×3ヶ月

2.支給対象者

緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業、又は外出自粛等の影響を受けた業者

対象となる事業者の例
・飲食店(※都道府県知事から時短営業の要請を受けている飲食店は一時支援金の給付対象外)、農業者、漁業者、飲食料品・割り箸・おしぼりなど飲食業に提供される物・サービスの供給者、旅館、土産物屋、観光施設、タクシー事業者等の人流減少の影響を受けた者。

3.売上減少の要件  

2019年比又は2020年比で、2021年の1月、2月又は3月のいずれかの売上が50%以上減少していること

4.申請の流れ

事業確認機関において事前の確認を受けて、事業の実施や一時支援金の給付対象等の正しい理解が確認された場合に限り、申請用のWEBページから申請できるようになります。

5.申請スケジュール

1)2月22日の週→申請者アカウント登録の受付開始・事業確認機関による事業確認の受付開始

2)3月1日の週→一時支援金の通常申請の受付開始

 

<注意点>今回は、申請の前に事業確認機関(税理士等の士業、商工会議所、金融機関等)に事業内容等の確認が必要となり、また、代理申請が認められておらず、基本的にオンラインにてご本人での申請となります(オンライン申請が困難な方にサポートが実施される予定です)。また、この情報は令和3年2月20日時点の情報によるもので、決定事項ではありません。変更になる場合があります。

阪本司法書士事務所 令和3年1月

【今月のテーマ:高山市の『空家活用コンテスト』について

 

近年、全国的に空家が増えてきていて問題になっていますが、高山市でも空家問題に関する様々な取り組みを行っています。そのひとつとして、現在「高山空家活用コンテスト」を実施していますので、今回はその話題をご紹介致します。

このコンテストの目的は『空家の新たな活用方法の提案、発信を行うことで空家問題に関する意識を高めるとともに、空家の活用を促進する』というもので、一昨年(平成30年11月~平成31年2月)に第1回目のコンテストが開催され、その内容は市のホームページからパンフレットを閲覧できますが、なかなかユニークなアイデアが提案されていて、見ていて楽しく明るい気持ちになれるものでした。昨年度のコンテストもどんな応募があるのかと楽しみにしていたのですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でコンテスト開催が延期になり、今年は第2回目の開催となります。高山市に実在する空家物件を題材として、アマチュア向けの「アイデア部門」とプロ向けの「リアル部門」の2部門に分けて、空家の利用・活用方法(アイデア)の提案を広く募集するもので、応募資格に年齢や居住地、職業といった制限は一切なく、グループでも個人でも構いません。

今年度は、ライブ配信によるトークセッションや、プレゼンテーション動画を高山市公式Youtubeサイトで公開するなどの三密対策を図り、下記の日程で開催するそうです。

①エントリー期間 令和3年1月15日まで

②動画公開期間    令和3年1月中旬~

③一般投票期間    令和3年1月中旬~2月上旬

④公開審査    令和3年2月27日(リモート開催&ライブ配信を予定)

興味のある方は、「高山空家活用コンテスト」でネット検索してみてください。

 

さて、このコロナ禍で、さまざまなイベントが中止を余儀なくされていますが、このコンテストのように、知恵を絞って三密対策を図り、開催できるイベントもあるのだなぁと感心しています。その一方で、様々な情報発信や企業のサービス、仕事上で必要な会議や友人との飲み会までもがインターネットを介して行われるのが普通になってきつつある世の流れを感じ、自宅で気軽にインターネットが出来る人にとっては、外出しなくても用が足せるので便利になったともいえるでしょう。しかし、全ての人がインターネットにいつでも繋がれる環境にある訳ではなく、そういった方は、有益な情報や便利なサービスから益々取り残されていくことになるだろうな・・・という懸念も同時に感じています。

所長の一言 令和3年1月

新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

 

さて、高山市内でも感染者が増加の一途をたどり、市民も外出を制限するようになり始めた中、事業者、特に飲食店経営の皆様は資金繰りに困窮していらっしゃるとお察しします。高山市・飛騨市では飲食業の方向けの補助金がいくつか確認できました。当てはまる補助金があれば、是非申請していただき、事業継続の一助にしていただければと考えています。

 

 高 山 市

『高山市新型コロナウイルス対策新ビジネス創出応援事業補助金』

コロナによる影響を乗り越えるため、テイクアウトなどの商品・サービスの提供、経営の多角化に取り組む事業に要する経費を支援する。補助対象経費は以下のとおり。

消耗品費(テイクアウト用のパック、割り箸等)、印刷製本費(チラシ、DMの印刷等)、通信運搬費、広告料、手数料、委託料、店舗等改修費(テイクアウト専用の窓口設置等)、その他の経費(その他市長が認める経費)

 

『高山市新型コロナウイルス対策感染症防止・おもてなし支援事業補助金』

コロナによる影響を乗り越えるため、「市民と施設経営者」「観光客と観光関連事業者」の安全・安心の確保や、観光関連事業者の事業活動の継続および収束後の観光需要回復に向けた基盤整備の取り組みを支援。

 

 

『飛騨市新型コロナウイルス対応 おうちでごちそう推進事業補助制度』

コロナ流行が長期化している状況において、積極的に生き残りをかけ道筋を見出そうとする飲食事業者に対し、その配達経費の一部を支援。

 

『飛騨市新型コロナウイルス対応販売促進事業(出前・テイクアウト応援事業)補助制度』

自社の商品を出前やテイクアウトで対応する事業者に対し、その必要資材の一部を支援。

 

上記にご紹介したのは一部です。このコロナ禍を乗り切るため、国・県・市町村単位で様々な施策が次々に出てきますので、常に最新の情報を入手する意識が大切です。

阪本司法書士事務所 令和2年12月

【今月のテーマ】『建物の登記について』(その4)

 

先月号では未登記家屋を相続した時の手続きについてご紹介しましたが、今月は未登記家屋を売買する場合はどうするのかをご紹介したいと思います。

 

まず、建物が登記されているかどうか、建物を見たところで分かりませんよね。判断材料としては、毎年5月のGW明け頃に送られてくる「固定資産税課税明細書」の「建物」の記載をよく見ると、「家屋番号」の欄に数字が記載されているものと、ないものがあります。家屋番号の記載があれば登記されています。家屋番号がない建物は、全く登記がされていない未登記家屋のこともありますが、「附属建物」として主である建物と一緒に登記されていることもあるので、一度登記簿を調べてみる必要があります。

 

さて、未登記家屋も「登記をしていない建物」というだけで、売主・買主が合意すれば、売買することは自由です。未登記家屋は、築年数が相当経過している古い建物であることが多く、売買する際の金額についても、建物代金はタダで土地代のみ、という条件で契約するケースが一般的です。売主としては、建物の取壊し費用を負担しなくて済みますし、買主はタダで建物が手に入る上、建物の登記費用が不要、というメリットもあります。

 

注意点としては、売買契約自体は口頭でも有効に成立しますが、後日のためにきちんとした契約書を残すべき、という点です。この時、登記がある建物の場合は登記簿通りに物件の表示(所在・家屋番号・種類・構造・床面積)を記載すればよいのですが、未登記家屋は登記簿がないので、代わりに名寄帳や固定資産税課税明細書等を参照し、「未登記家屋につき、固定資産名寄帳兼課税台帳記載に基づく」等と但し書きを入れて、建物の表示を記載することになります。また、登記をしていない建物の所有権移転の法律的な効果については、売主・買主の当事者間では有効でも、それを第三者に対抗することは出来ない、というリスクがあることを忘れてはいけません。

 

また、登記がある建物の場合は、法務局に所有権移転登記を申請すると、市役所資産税課に通知がいき、固定資産税の納付書の送付先を新所有者(買主)に変更するシステムになっていますが、登記がない建物の場合はこの通知がありませんから、資産税課に「未登記家屋の所有権移転届出書」を出しておくと、旧所有者(売主)に固定資産税の納付書が送られてくる心配はなくなります。もっとも、土地と一緒に未登記建物を売買した場合は、土地の所有権移転登記があった旨の通知が法務局から資産税課にいくので、未登記家屋の売買も一緒に行った可能性を考え、高山市の資産税課では、未登記家屋の所有者(納税義務者)が誰なのかを一度確認した上で、納付書を間違いなく送付するような手順を踏むようにはなっているとのことでした。

事務所案内

阪本会計事務所
〒506-0054
岐阜県高山市岡本町3-242
[TEL] 0577(33)2605
[FAX] 0577(33)2589

外観写真

アーカイブ