阪本司法書士事務所 令和3年4月

【今月のテーマ:「相続登記相談センター」開設について

 

本年3月1日に全国50ヵ所の司法書士会に「相続登記相談センター」が開設され、相続登記・遺言書作成などの相談を受け付けるようになり、同時に「全国統一のフリーダイヤル(0120-13-7832<いさんのなやみに>)」も設置され、全国どこからでも、電話で相談予約の受付や司法書士会の相談会の案内をするなど、相続に関する相談がより便利になりました。

また、特設Webサイトを公開し、お近くの司法書士会の相談先や司法書士の情報を検索できるようになりましたので、ご案内いたします。(日本司法書士会連合会の広告より抜粋)

 

■「相続登記相談センター」全国統一フリーダイヤルの概要

・電話番号:0120-13-7832(いさんのなやみに)

※市外局番もしくは基地局の情報に基づき最寄りの司法書士会に自動でつながります。

・受付時間:平日10時~16時(土日祝祭日、年末年始、お盆期間を除く)

・受付内容:相続登記(遺言書作成、遺産分割協議書作成なども含む)に関する内容全般

 

■「相続登記相談センター」特設Webサイトの概要

・お住まいの近くの司法書士会の相談先や司法書士の検索機能を備えました。

https://www.shiho-shoshi.or.jp/inheritance_lp/

・地図上にある司法書士会を選択し、該当の司法書士会の公式HPに

ジャンプする仕組みです。

・将来的にはウェブ上で相談受付を集約することを目指しています。

 

◎「相談登記相談センター」開設の背景

わが国では、登記簿の約20.1%が「所有者不明土地」であることが判明しています。一方、超高齢社会へ突入し,“大相続時代”が到来しています。このような現状を受け、2021年の通常国会では、民法及び不動産登記法が改正され、相続登記が義務化される見込みです。

かつてない法的転換期において、登記の専門家として市民の期待に応えるべく、当センターが開設されました。

日本司法書士会連合会では、法改正を含む、相続登記全般に対する最新で正確な情報を提供し、市民の悩みに応えるため本センター、全国統一フリーダイヤル、特設Webサイトで、いつでも、どこでも、どのような相談でも受け付けられるサポート体制を整えていくそうです。

所長の一言 令和3年4月

先月、税務関係書類の押印義務の見直しについて触れましたが、それ以外にもデジタル化に向けた大きな制度の見直しがあります。それが、「電子帳簿等保存制度」の見直しです。

現在、帳簿書類等については、会計ソフト等を使用し作成することが一般的ですが、そのデータについては、紙媒体によって保存することが基本となっています。電子データのまま保存するためには、税務署長の承認を受ける必要があること等、いくつかの条件があります。

今回はこのいくつかの条件が大幅に緩和されることとなり、電磁的記録にて保存する手続きが容易になります。

 

<改正時期>

令和4年1月1日以後備付けを開始する国税関係書類について適用されます。

 

<改正内容>

【1】.税務署長による事前承認制度の廃止

現行では、電子的に作成された帳簿書類を電磁的記録のまま保存するためには、事前に税務署長から承認を受ける必要がありましたが、今回の改正によりその事前承認が不要となります。

 

【2】.適用要件の緩和

これまでは、訂正削除履歴を残しておく等、多くの条件が必要でしたが、下記の要件を満たせば、電子帳簿の保存が認められます。

①.電子計算機処理システムの概要書その他一定の書類の備付けを行うこと。

②.電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書等を備付け、ディスプレイの画面等に整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができること。

③.国税庁等の当該職員の質問検査権に基づくその国税関係帳簿書類に係る電磁的記録のダウンロードの求めがある場合には、これに応じること。

 

ただし、いままでは請求書等をメール等データ形式でやり取りしている場合、紙媒体にて保存することも認められていましたが、今回の改正でデータ形式にて保存することが原則となりました。この条件をクリアするためには、メールソフトの送受信記録だけでは要件に合致しているとはいえないため、検索機能がある文書管理ソフトを導入する必要もでてきます。これらの条件をクリアできないと使い勝手の悪い電子帳簿書類保存等の改正となるため、年内に見直しされ令和4年からはよいスタートが切れるよう条件緩和を期待します。

阪本司法書士事務所 令和3年3月

【今月のテーマ:「相続土地国庫帰属法案」について】

 

現在、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(以下、「相続土地国庫帰属法案」)の新設が検討されていますが、今回はこの法案についてご紹介したいと思います。この法律を新設する目的は、『相続等により土地の所有権を取得した人が、その土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設することで、所有者不明土地の発生の抑制を図ること』、となっています。

一見すると、「相続する予定の土地があるが、売るにも売れない土地で管理も大変だし、固定資産税等を払うコストもかかるし困っていたが、これからは国がもらってくれるのか」と誤解されそうですが、「相続土地国庫帰属制度」には、いくつかの条件が見込まれており、国に引き取ってもらうといっても決して簡単ではなく、高いハードルが想定されるようです。

 

 ◎相続土地を国庫に帰属させるための条件とは?(現段階での法案)

(1)更地であること→建物があれば解体する必要あり。

(2)抵当権等の担保権が設定されていないこと →担保権抹消登記をする必要あり。

(3)境界の争いがないこと →境界確定を土地家屋調査士に依頼する必要あり。

(4)土壌汚染がないこと →土壌汚染がないかの地歴調査やレポート作成の必要あり。

(5)負担金を納付すること→10年分の土地管理費相当額(原野で約20万円、市街地の宅地では約80万円程度)を納める必要あり。

 

これほどの手間と費用をかけて、国に土地を引き取ってもらいたいと思う方が、果たしてどのくらい現れるでしょうか。そもそも、今回の改正法案の一番の軸は、「相続登記の義務化」なのです。相続登記をするには、いくつもの書類をそろえ、登録免許税や司法書士手数料を払う必要があり、こうした煩わしさから、何代にもわたって相続登記が放置され、その結果所有者不明となった土地の面積は、現在、九州の面積と同程度まで膨れ上がっているそうで、国としては、今後は強制的に相続登記をするよう促す方針で、「相続土地国庫帰属制度」については、国が土地を引き取らなくて済むように、わざと困難な条件を出しているともいえますね。

所長の一言 令和3年3月

税務書類の押印義務の見直しについて

 

いよいよ税務手続き負担軽減等の観点から、各種書類への押印義務が廃止されます。また、地方公共団体の長に提出する地方税関係書類(県や市に提出するもの)についても、国税同様押印義務が廃止されます。

 

<適用時期>

本年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用されます。なお施行日前において、今回の改正により押印を要しないことになる税務関係書類について押印がない場合でも、運用上改めて押印を求めないこととされています。

 

<改正内容>

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除いて、押印を要しないこととされます。

◎例外的に今後も押印が必要とされる書類

①担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

②相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

(例:相続時における遺産分割協議書)

 

<解説>

上記より、確定申告書類をはじめ扶養控除等申告書など、税務関係書類のほとんど全てに押印が不要となる見込みです。また、施行日前の4月1日以前に提出する令和2年度の確定申告書類等に押印がなくても、改めて押印は求められないようです。ただし、地方税関係書類は国税とは異なり、施行日前の取扱いについては明記されていないため、従来どおり押印した上で提出すべきと考えます。

阪本司法書士事務所 令和3年2月

【今月のテーマ:相続登記の『義務化』について】

 

現在相続登記は義務ではなく、申請しなくても罰則はありませんが、その結果として、土地の所有者が死亡しても相続登記がされないこと等を原因として、不動産登記簿を調べても所有者が直ちに判明せず、または判明しても連絡がつかない「所有者不明土地」が生じ、その土地の利用等が阻害されるなどの問題が生じています。

国土交通省の推計によると、2016年時点で所有者不明土地は全国で410万haに上り、九州本島の面積を上回るそうです。さらに2040年までには北海道本島に匹敵する720万haに広がるとの試算もあるそうですが、法務省によると、所有者不明土地が発生する理由の66%は相続登記がないことで、34%が住所変更の不備だそうです。

こういった近年の社会経済情勢に鑑み、相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、既に生じている所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを整備する必要があることは以前から指摘されていましたが、本年2月10 日に開催された法制審議会の会議において、民法や不動産登記法の改正等に関する要綱(案)が決定し、政府は3月に改正案を閣議決定後、今国会で成立させ、2023年度に施行される予定です。

 

改正法案が成立・施行された場合、相続登記がこれまでと大きく変わることになりますので、今後の動向に注意が必要です。

改正法案のポイント

 

①相続登記が義務化される

→相続で不動産取得を知ったから3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料

②住所や氏名変更、法人の移転登記も義務化

2年以内に登記をしないと、5万円以下の過料

③土地の所有権放棄が認められる

→条件付(建物や土壌汚染がないこと、担保がないこと等)で、土地を国庫に返納可

※審査手数料と管理負担金(200㎡の宅地で80万円程度)を納入する必要あり

④所有者不明の土地・建物を活用可能になる

→公告を経て、他の共有者で管理や変更も可

→補修や短期賃貸借を共有者の過半数で決定可能

→裁判所の許可で管理人を選べば売却も可能

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