阪本司法書士事務所 平成31年4月

【今月のテーマ:『120年ぶりの民法大改正について(その11

 民法が大改正される中、相続に関する規定(以下、相続法)も大幅に見直されることになりました。今回の相続法の見直しは、高齢化社会の進展等に対応するもので、多岐にわたる改正項目が盛り込まれています。

先月号では「配偶者居住権」について触れましたが、今号では「配偶者短期居住権」という制度をご紹介します。

 配偶者短期居住権とは、どんな権利?

配偶者短期居住権は、配偶者が被相続人の遺産を構成する居住建物に相続開始の時に無償で居住している場合に「遺産分割により居住建物の帰属が確定した日」か「相続開始時から6か月」のいずれかの遅い日までの間、配偶者が居住建物に無償で住み続けることができる権利です。

これにより配偶者が遺言や遺産分割で配偶者居住権が認められなくても、当面(最短でも相続開始時から6か月)の居住権が確保されることになります。

 配偶者居住権と配偶者短期居住権の違い

まず「配偶者居住権」と「配偶者短期居住権」との大きな違いは、存続期間です。

配偶者居住権の存続期間は、原則として配偶者の終身の間(配偶者が亡くなるまでの間)ですが、配偶者短期居住権は、前述のとおり存続期間が限定されます。

また、配偶者居住権は登記が出来ますが、配偶者短期居住権の方は、登記は出来ません。配偶者居住権の 場合、居住建物所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、「配偶者居住権の設定登記」を備えさせる義務を負います。

配偶者居住権の設定登記には対抗要件としての効力がありますので、登記していれば、建物の所有権が居住建物所有者から第三者に譲渡されても、当該第三者に対しても配偶者居住権を主張できます。また銀行や信託銀行等の金融機関が、居住建物に抵当権等を設定し、これを実行して第三者に譲渡された場合においても、当該第三者に対して配偶者居住権を主張することができます。一方、配偶者短期居住権は、比較的短期間の権利ということもあってか、登記や第三者に対する対抗力は認められておりません。

配偶者居住権・配偶者短期居住権とも、施行日は2020年4月1日です。施行日後に開始した相続について適用され、施行日前に開始した相続については、適用されませんので、注意が必要です。

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