阪本司法書士事務所 令和3年12月

【今月のテーマ:古い担保権を放置するリスクについて】

 

相続登記の際に不動産の登記情報を調べたところ、古い担保権(抵当権・根抵当権等)が登記されたままになっている事が判明したので、抹消したいがどうしたら良いでしょう?という相談が今年も数件ありました。何十年も前の担保権の場合、被担保債権(借りたお金)は既に全額返済済みで、権利は消滅していることがほとんどです。

しかし、意外と知られていないのが、お金を返済して法律上抵当権が消滅したからといって、金融機関や法務局が抵当権を抹消してくれるわけではなく、不動産所有者と担保権者(お金を貸した側)が共同で「抵当権抹消登記」の申請をすることが必要だということです。

 

登記簿に担保権の登記が残っているデメリットとしては、担保権がついたままの不動産は売却したくても買い手が付かないことや、融資を受けたくても金融機関が応じてくれないことが挙げられます。

また、担保権者がきちんとした銀行等の金融機関であれば、昔の書類でもしっかりと保管していることが多く、担保権抹消手続きにもスムーズに応じてもらえることが一般的ですので、それほど問題にはならないですが、中には個人や勤務先の会社からお金を借りて、抵当権の設定をしたケースもあり、この場合は色々と手続きが厄介になります。

まず、抵当権抹消登記には、抵当権を設定した際に法務局から交付された「登記済権利証」が必要になりますが、個人や会社の場合、古い書類になればなるほど紛失していることが多いです。また、個人の場合、お金を貸した本人は既に亡くなられている場合もありますし、そうなると、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を全部揃え、その相続人全員から書類に印鑑を貰わないと抹消登記が出来ないので、大変な手間と時間がかかります。

また、会社の場合は企業の合併や統廃合があって、当時の会社が現在は存在していないことも多々あり、電話番号や担当部署を調べるだけでも一仕事になってしまいますし、当時の事情を把握している担当者は当の昔に退職しており、古い抵当権について分かる人は誰もいなくて、やり取りに時間が非常にかかったケースもありました。

 

皆様方も、もし所有されている不動産に古い担保権の登記が残っている場合は、早めに抹消登記をすることをおすすめ致します。地元のきちんとした金融機関であれば、抹消登記はいつでも出来るし、急いでやる必要はないように思われるかもしれませんが、金融機関も企業ですから、長い年月の間には吸収合併による統廃合があり得るため、手間と時間が余計にかかってしまうこともありますので、ご注意ください。

 

さて、今年も残すところ、あとわずかとなりました。阪本会計事務所のお客様におかれましては、当職も大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。来年も相変わらぬご愛顧を頂けますようお願い申し上げて、歳末のご挨拶とさせて頂きます。

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