阪本司法書士事務所 令和元年6月

【今月のテーマ:『相続登記に関するちょっと珍しい事例』

 最近「相続登記は早めに済ませておいた方が良いですよ」という情報が徐々に浸透してきたようで、相続登記に関するご相談が増えてきたように感じています。

今回は、「父名義の土地の相続登記をずっとやらずに放置していたが、そろそろやらなきゃいかんと思って」相談に来られたAさん(70代男性)の珍しい事例をご紹介します。

 

 相続登記が知らない間に済んでいた!?

 Aさんは高山市内に自宅があり、お父様名義の土地は飛騨市にあります。お父様は昭和50年代に、お母様は平成初期に既に亡くなられています。Aさんは長男で、長年お父様名義の土地の登記済権利証も大切に保管してみえました。Aさん自身は相続登記をした覚えもないし、もちろん自分名義の権利証もないですから、飛騨市の土地は父名義のままになっているとずっと思い込んでみえました。

私は相続登記の依頼を受けましたので、その準備をするつもりでお父様名義の土地の登記情報を調べたところ、なぜか既にAさんの名義になっているのです。登記情報だけではどういうことか意味が分からず、法務局へ行って「閉鎖登記簿謄本」を取得して、ようやく謎が解けました。

その土地は昭和62年に「代位者 吉城郡古川町/代位原因 国土調査法第32条の2第1項」という、「代位による相続登記」という登記がされていたのです。

土地に関する「国土調査」は「地積調査」とも言われますが、最新の測量技術を使った精度の高い「地籍図」と、現状にあった正確な「地籍簿」によって、公図や土地登記簿を修正していく事業です。

Aさんのお父様名義の飛騨市の土地は、地積調査の結果、土地の合筆をする必要が生じ、亡くなったお父様名義のままではそれが出来ないので、地方自治体である古川町が、相続人に代わって相続登記をするのが「代位による相続登記」ですが、なかなか珍しいケースといえます。

もちろん、当時の古川町が勝手に登記できたわけではなく、他の法定相続人にあたる方(Aさんにはお姉さんがみえます)から、「私は相続しません」という「相続分不存在証明書」に実印で押印してもらう等、必要な書類は取得した上で手続きしているのですが、Aさんご自身は全くこの件に関与した覚えがないそうなので、おそらく、当時お元気だったお母様が、町役場の職員から言われた通りに、書類にAさんの名前を書いて判子押して・・・という感じで書類を提出されたのかな、と思います。

Aさんにしてみれば、30年以上も前に、全く自分が知らない内に、自分名義に相続登記が終わっていた、という話ですから、大変驚いていらっしゃいました。

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