阪本司法書士事務所 令和元年5月

【今月のテーマ:『学生寮を途中解約した場合の寮費はどうなる?』

お客様の中には、現在お子さんが学生寮を利用されている方や、これから利用するかもしれないという方もいらっしゃるのではないかと存じますが、先日、あるお客様から「学生寮の途中解約」に関するご相談を受けました。

子供を持つ親としての立場と、学生寮を経営する大家さんの立場、両者にそれぞれの言い分があり、考えさせられる内容でしたので、ご紹介したいと思います。

 相談の概要

相談者の自宅は遠方にあり、子供が高校入学時から学校近くの学生寮にお世話になっている。学生寮は、4/1~3/31までの1年間契約。寮費は年間約80万円で、契約書には、「途中解約しても寮費は返金しない」旨の記載がある。寮費の支払は、便宜年2回(前期・後期)に分けて支払っており、前期分は既に支払済で後期分は未納。

相談者の子供は現在高3で、8月一杯で部活動を引退した後はバス通学が可能になるので、9月以降は寮を出て自宅からバス通学をする予定。寮を利用していないにもかかわらず、後期分の寮費(約40万円)を支払わなければならないのか?

 

相談に対する回答

学生寮の利用契約は、民法上の賃貸借契約にあたり、契約当事者が締結した内容どおりに契約が拘束力を持つので、途中解約する場合においても、原則としては契約書の定めにあるとおり、1年分の寮費を支払わなければなりません

利用してもいないのに利用代金を払わせられるとは、理不尽な気がします。しかし、かかる定めが置かれているのも理由がないことではありません。学生寮の入居希望者は、学年初めには多くても学年途中には少なくなる結果、途中解約されると残りの期間、部屋は利用されないままになる可能性が高いからです。そのため、大家側では1年間を最短の利用期間として、リスクを免れることを考えます。

しかし、学生寮は営利目的のためだけではなく、学生の福利厚生のための制度という側面もあるはずです。そうだとすれば、一身上の理由により、あるいは不可抗力で契約期間中に利用できなくなった場合には、残期間の利用代金債権を放棄するべきと考えることもできるでしょう。

ただ、契約締結時に合意している以上、法律上の支払い義務があることは否定できません。その点を踏まえた上で、後期分寮費については、大家さんに「免除」または「値引き」を交渉してみてはどうか、というアドバイスをしました。

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