所長の一言 令和2年8月

業績悪化による役員報酬の減額について

 

役員報酬を当期の経費として損金算入するためには、「定期同額給与」、「事前確定届出給与」、「利益連動給与」の中から選択し、支給しなければいけません。

上記の3つの中で、一般的に用いられるのが、「定期同額給与」です。定期同額給与は、事業年度開始後3ヵ月以内に株主総会・取締役会等の機関で決定し、期中は毎月同じ金額を支払っていきます。

 

役員報酬として毎月同額を支払っていくので、決定した役員報酬を期中で変更することは原則できません。しかし、「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」(これを業績悪化改定事由といいます)がある場合には、減額をすることが可能です。

 

では、業績悪化改定事由で一旦減額した定期同額給与を、業績が回復してきたことを理由に、元の報酬に戻すことは可能でしょうか?この場合は、増額改定とみなされ、増額した部分が損金不算入になることが考えられます。

また、同じ会計期間に複数回、業績悪化改定事由として役員報酬を減額した場合については、どうでしょうか?この業績悪化改定事由は、経営状況が著しく悪化したことなどによって役員報酬を減額することを想定した規定ですが、複数回の減額について想定したものではないため、恣意的な利益調整とみなされ、2回目以降の減額改定が否認されることも考えられるため注意が必要です。

 

現在のコロナ禍等で経営状況が悪化し、経費の節減を検討する際に、役員報酬は見直しやすい経費です。しかし、期首の報酬額の決定の際には、その事業年度の展望などを踏まえ慎重に決定し、その期中に減額できるのは、やむを得ない事情に限られますので、むやみに変更をするべきではありません。また、従業員の給与とは異なり、株主総会等での意思決定機関で決定するため、議事録等も必要となります。ご不明な際は、弊社までご相談ください。

事務所案内

阪本会計事務所
〒506-0054
岐阜県高山市岡本町3-242
[TEL] 0577(33)2605
[FAX] 0577(33)2589

外観写真

アーカイブ